ViVid Strike! 第6話

 フーカはなぜリング上で変身しないのか。
 なんか本格的に格闘モノに移行し、いわゆるストーリーモードがどっかへいったというところ。まぁいろいろ手抜きというか省力化したところは見受けられるんだけど、要所を押さえた描写はできているので格闘シーンはそれなりに迫力がある。やはりこれが見所なんだろうな。
 が、あえて言わせてもらうと、やはり見誤ってるような気がする。格闘技というのは己の身一つで相手と対峙するからこそ魅力があるのであって、そこに他力本願的ブーストをかますのは筋が悪いとしか思えない。そもそも魔法で少女から大人になるという時点でアウトだし、デバイスなるものゝ力を借りて打撃力を増すとかそういう観点からは言語道断。そういうものに頼るんだったら、その操作方法に習熟するべきで、そういうのでなくて相手を倒すためには自分の拳で殴らないといけないし、逆に殴られたら自分も痛みを感じるわけで、そういうのを描きたいからこそ当然今回も試合中に殴られて顔が歪むところを描いているのだろうし、デバイスのコントロール練習ではなくてフィジカルトレーニングだけを描いているわけで、自分が描きたいことがちゃんとわかって大体そうしているのに矛盾する構造を入れ込んでるのはどうなの?という。現代はましてや機械の習熟で社会が成り立っていて、人力に頼るという場面が少なくなっているからこそ、その人間本来の力を表現するために格闘技というテーマを選んだ(それに魅力を感じた)んじゃないのかな?。
 ほんでもって、今回目玉の試合でミウラ選手のあばらが折れてたわけだから、デバイスとやらは、相手の打撃を痛覚や試合中の損傷として残すにしろ、人間の安全を守るように働くものではないんだよね?となるともうお笑いとしか。
 まぁ結局ロリキャラに格闘技をさせてみたいという欲望が、少女の殴り合いはともすればキャットファイトにしかならないから迫力に欠け、では納得いくように重たい打撃力を描くためにはキャラの筋力を増すしかなく、ならばやはり大人の体にしなくちゃというところからの魔法とか無理があったのでは?としか。格闘技の魅力からはかけ離れるんだけど、少女にフィジカルな対戦をさせたいんだったら、こう体操のようにアクロバティックなものにしたらちょっとは説得力が生まれるとは思う。体操選手はむしろ大人になり体重が増えると逆に体重と筋力の比が落ちてしまうんで、若い方がよかったりするもんな。が、選手がひらひらと舞い踊ってペチペチ叩き合うというものにはしたくないんだろう。動きの華麗さを追求したいんだったら相手を倒す必要はないんだし。おそらく殴る殴られるの相補性を描きたいんだろうしねぇ。動きの描写、つまりアニメーション技術としては進化していてそれなりのものがあるのに、使いどころを誤ってる感じかな。