のんのんびより 第4話

 東京から新幹線や飛行機を利用するような距離のところだと…。
 ネットで見た情報だと、原作のモデルとなった具体的な地域は無く、いろんな田舎要素を継ぎはぎしてつくっているらしいから、あんまりそういうのを考えるのも意味無いところではあるんだが。
 今回はいろいろ考えさせられる回だった。小学一年生のれんちょんが東京から遊びに来た同学年の少女と交流を深めるというお話ではあるんだけど、これはよくある都会の少女の田舎体験の逆Ver.であって、そういう視点の作品が他になかったわけでもないんだけど、数としてはやはり少ないとは思う。
 前提条件の話として、今回明らかになったのが宮内家の構成で、長女が分校の先生をしている長女の一穂で、これは少なく見積もっても23〜24、おそらく次女のひかげが高校一年の15〜16、で、れんちょんが小六の6〜7歳。田植え機は前回でようやっと買ったということだし、今回の話だとれんちょんはコンパクトデジカメを扱ったことが無いという描写のように思えたので、経済的には苦しい家庭なのかなと思わされる。小鞠や夏海のいる越谷家が長男長女次女と年子の連続なのに比べると、おそらく学費負担が重ならないように子作りをしたと思われる。本当は跡継ぎの男が欲しかったのだけども、できなかったから10年毎に子作りというのも考えてみれば壮絶なことである。一穂は家庭の事情を知っているからこそ、堅実に教員をめざしたのだろうし、そのために今流行の「やりたいことをやる、なりたい職業に就職」というのからは無縁だったはず。
 ゲストキャラとしてれんちょんと交流するほのかの父親は、おそらく仕事を求めて都会に出て行ったという典型的なものであり、都市の所属だからといってじゃぁ裕福なのかと言われると、急な仕事が入って舞い戻っているところなどちょっと判断がつかない。ほのかの父親の帰省がそもそも盆休みだったのか、それとも実家で長期滞在するつもりで休暇をとっていたのかわかんないので、まぁまさか盆休みに急な仕事は入るまいとは思うんだが、そのへんはね。まぁ少々休んでも仕事がまわるという職場ではなさそうだから、それほど美味しい職業というわけでもないとは思う。
 そういったことをつらつら考えてみると、ひかげが語るビルのでかさだとか、ほのかの持っているデジカメなど、豊かさの集積地としての都会と、むしろ都市からの収奪を受けている地方との対比、かといって都市で暮らす住人が豊かというわけでもなく、でも作品で描かれている美しい自然の風景はそういう地方の豊かさを描くものでは決して無いという構造が面白くてね。子供達の交流のほろ苦さというか郷愁という部分もたしかに描かれてはいるんだけど、おそらくアニメスタッフの力点はそこには置かれていないんだろうなという気はした。