艦隊これくしょん -艦これ- 第12話

 うーん、続編あるのか。
 なんのことはない、予想通りの展開で、艦娘の撃沈は一隻も無く敵を撃滅。如月を思わせるシーンもあって、まぁそうなんだろうなといったところ。というか、提督は大型建造で大鳳を出すのに苦労していて遅れたんだろといったところ。
 結局この第1期が微妙だと感じていたのも、おそらく最初っから続編(分割2?、3?クール)があるのは規定の方針だったからと思われる。動画部分にキレはあっても、細かな修正はあまりなされていないと感じられ、作画はCGを多用してかなり低予算で作られているようだ。そのため、1話当たりのコストを安く上げることができ、話数を多くすることができたんだろう。おそらく予算はゲームから充当されている部分が多いんじゃないかと思われ、テキストを担当するシリーズ構成や各脚本担当は、基本ゲームデザイナー数人との打ち合わせで、しかも余計なスポンサーの横槍があまり入ることもなく、ポイントを押さえておけば構わないという状態だったんじゃなかろうか。
 で、自分は繰り返してゲーム未プレイであれば視聴の必要なしと主張してきたのだが、おそらくアニメはその未プレイ層をターゲットにしていたはず。アニメ放映直前からそれまでかなり制限してきたゲームの新規登録者数を多くしていたわけで、まだゲームの人気が上向き状態のうちに、ゲームの呼び水としてアニメが製作されたのは間違いないだろう。確かにアニメを販促に使うんだったら、人気が下降段階での放映はマズいので、このタイミングはかなり急いだに違いない。駆逐艦でもプレーヤーに絶大な人気を誇る暁雷電響、そして戦艦は超人気の大和長陸奥金剛型など、おそらくゲームを解析した上での使用頻度の高いキャラクターをチョイスしたに違いない。そういった意味では、このアニメはかなり商売っ気で製作されており、まぁなんとも機械的な感じがする。
 逆に、アニメを見てゲームをプレイする場合には、吹雪は初期艦として誰でも簡単に入手が可能で、もちろん睦月やステータスの高いぽいぬ、川内型なども入手が易しく、自分のデッキ構成でアニメのキャラクターを活躍させることが簡単だ。大和の砲撃シーンがやたら繰り返されていたが、ゲームでもガチャ要素の大きい大型建造へのモチベーション*1にも繋がっている。アニメのテキストが弱いのではあるが、ゲームに誘導してプレイさせるのであれば、むしろゲームにはストーリー要素が少ないわけで、アニメのストーリーが濃いほうがプレイに制約がゝゝるわけで、これはむしろ望まれたことなんじゃなかろうか。敵の正体については極力明かさない方向だろうし。
 っつーわけで、アニメを放映したからゲームがより盛り上がったかどうかは正確な解析は無理だとは思うが、少なくともアニメの出来が仮に悪かったとしても既存プレーヤーがそれを理由にゲームから離れることは無いわけで、元からゲームの世界観については無知な新規プレーヤー勧誘要素としてはまぁこんなもんじゃなかろうか。少なくとも失敗ってことはないハズ。
 あと、アニメまで製作されたゲームという風に、ゲーム自体に箔をつける効果が期待されていると初期の頃に述べたような気がするが、「アニメが製作されるだけでなく続編まで」という箔も期待されているんじゃなかろうか。仮に第1期の出来があまりに悪くて打ち切り同然で終わってしまったら、それは販促としてマイナス要素(目的がアニメではなくてゲームへの誘導だからこそ出来る芸当)にしかならないわけで、もちろん続編を用意しても人気無しで打ち切りってことをアナウンスなんて絶対しないが、まぁそういった意味では話題になるだけでも成功だとは言えるんで、普通にスケジュールどおりに進行しているんだと思われる。
 ゲームではイベント攻略に欠かせない大北が改のまゝで改二でなく、また吹雪も川内型も改二にはなっておらず、他の鎮守府に艦娘が分散しているとはいえ、それでも登場艦娘の数が絞られているところなどを見ると、やはり以後の展開にとっておいていたんだろうなと思われる。まぁ第1期のストーリーの出来を確認した今となっては続編のストーリーの出来はお察しだとは思うんだが、実は第1期より第2期のほうが面白くなる可能性もあると思っている。そもそもゲームでの艦娘の種類が多すぎるほどなんで、第1期はキャラや世界観の紹介、伏線敷きと割り切って、脚本が本当にやりたいことは第2期にとっておいてあるという可能性も考えられる。既存プレーヤーは多種多様な艦娘をそれぞれの好みで運用しており、むしろこの第1期は「いろんな艦娘に魅力はあるけど、アニメでは選抜された艦娘主体のストーリーで行く」ことを納得させるための段階なのかもしれない。
 というわけで、分割クール制だというのであれば、アニメの評価は通して行うべきだという気がする。しかし自分の現段階での評価は、やはりストーリーとしては微妙、とはいえ最初っからストーリーには期待しておらず、その意味ではこのアニメをネタにいろいろ楽しめた。普通のアニメは、アニメ自体を売らなきゃならないが、このアニメはゲームへの誘導ができればよいだけなので、おそらくアニメスタッフは設定された目標をそつなくこなしたという意味では十分な仕事をしたのだと思う。大きな成功も大きな失敗もしておらず、それは艦これサーヴィス全体の中でのアニメの位置を考えると妥当なところに収まっているのだろう。

*1:大型建造でしか現状大和は入手できないが、これがなかなか入手できないので、その分長期間ゲームにプレーヤーを縛り付けることが出来る。ガチャ要素が強いといっても運営自体大型建造にカネを使うなといっており、重課金よりは微課金長期プレイを運営が望んでいると思われる。