緋色の欠片 第10話

 男の風呂シーンなんてうれしかないんだけど。
 しかもラストの決め台詞劇場は風呂シーンのなかった狗谷だし。なんか妙なところでよく考えられていて感心してしまう。そういや月曜日にはガルパンの入浴シーンがあったが、これもあんまり嬉しいとは思わなかったな。麻子のぐで〜とした顔つきには和まされたが。
 うーん、かなり大嵌り。じゃれあいのシーンなんて王道というかフォーマット通りなんだけど、それがマイナスとは全然感じないんだよな。しかも拓磨の玉依姫だからじゃなくて珠紀だから守るという台詞。もちろん色恋沙汰を連想させるような脚本ではあるんだが、ちゃんとそれまでに守る守られるの関係が丁寧に説明されているわけだよ。もうわかり易すぎて、確かにこりゃ文学じゃなくてジュブナイルだわなとは思うんだが、この直接的などん臭い見せ方であっても自分はやっぱ感動してしまうもんねぇ。
 で、なんだろ?。玉依姫の覚醒というのも、なんか修行であるとか、悟りみたいなフラグがあっていきなりそうなるってんじゃなくて、おそらくリーダーが部下の気持ちを慮り、重荷を一緒に背負ったり守ったりし、また部下もそういうリーダーに気持ちを寄せて力を尽くそうとする、そういう絆ができることが即ち玉依姫としての覚醒なり、守護五家としての力の発揮という提示になっている。そりゃもちろん視聴者向けにはなんかビジュアル的に発動するというエフェクトかなんかを用意するんだろうけどサ。そのへんこの作品が腐女子におもねって、やたら男の友情を誇示してみたりってことが慎重に排除されているので、すげぇ冷静だなと思ってしまう。
 で、敵対勢力のモナド側だが、これがまた理想のリーダーっぽいんだよな。反面こちらは部下がどうなんだろ?って構造。まぁモナドモナドで権力はあるっぽいし、4が忠臣であるという組み合わせなんで、それなりに考えられているっぽい。でもこんな組織、今ドキあんのか?と思ってはたと気付いたのが外資系というか、欲深い外国企業がこんなのだったりするんだろうなと思った次第。社員は実力があるんだろうけど、条件の良い企業間で転職を繰り返し、組織のために尽くそうとしない*1…というか、彼ら個人の成果主義が業界を食い潰すって構造なんだろうなと想像してみた。労働条件を良くしてもイナゴのごとく組織を食い潰して去っていく連中。そういうのが社員だったらまだ良いが、管理職の末に行き着くのがマクドナルドの現社長だったりするんだろう。モナド自身は封印をすべて解除したらどうなるかわからないから慎重に事を運んでいるっぽいから、思慮深いってことなんだけど、手柄欲しさにおあずけすら満足に出来ない犬がほとんどだと、それはそれで大変だろうなとは感じるね。
 ある意味リーダーがクズで、部下に無茶を押し付けて組織をむちゃくちゃにした挙句、責任は部下に取らせるってのは、あまりに日常化しすぎていて、視聴者は誰も見たがっていないってことなのかね。そんな状態家に帰ってまで見たくないだろうし、そういうのを敵に据えて主人公側が倒すのって、現状からするとウソっぱちじゃん?。そう考えると、この作品も凡百のストーリーっぽく見えてしまうんだけど、それなりに考え尽くされてんのかなと思わなくもない。
 というわけで、第1期はあと3話だっけ?。となると玉依姫の覚醒で一区切りつけそうだな。

*1:まぁその組織がブラック企業ならとことん食い潰しちゃってくださいって感じだが