緋色の欠片 第9話

 珠紀、確かに一睡もしなくても大丈夫そうだな。
 おもろいな。海軍での提督だとか司令長官だのは、会戦中寝ないことが良い将としての条件だったりするしな。まぁ正常な判断を保てるってのが必要だけどな。
 もしかして玉依姫覚醒の条件は、封印が破られることだったりするのかな。珠紀の自覚がどんどん真剣になっているように見えているので、これはなかなか。
 真弘先輩が調子がいゝだけの口先男じゃないように見えてかっこよい。まぁ依然としてロゴスに勝てない状態ではあるんだけど、他の守護も人間として醸成されているような雰囲気。しかし、守護五家が弱いのはよくよく考えてみると彼らのせいじゃないんだよな。たまたま敵が強すぎただけで、彼らの意志が弱いわけでもなく、やるべきことをやってないわけでもない。かといって結果として強弱がついているものをどうひっくり返すのかという努力は必要で、そのために珠紀自身が努力するべきであると認識して、覚悟を決める流れが美しい。
 そして珠紀が玉依姫になる方法を知らないというのもやきもきさせられるのではあるが、今まで全く耳にすることもなかった事について、ほとんど手掛かりのない状態でなりかたを自分で見つけろって言われてもなというのはある。0からすぐ結果を出せって言われても、自分ですら大変だと思うワナ。珠紀が誰にも教えられずに自分で見つけることが必要と思うことも重要だが、婆サマがなにも言わないってのもどうなんだ?と思わなくもない。珠紀をあの村に呼んだの、婆サマだろ。
 しかし、清乃が定位置で安定してるな。1話の中に必ず、しかも1度だけ登場して、嵐のように騒いで去っていくというパターンが崩れない。得てしてこういうストーリーには何も絡まないように見えるキャラが一番重要なポイントで助言だとかすることがあって油断はできないんだよな。まぁ今は沈みがちな珠紀とその愉快な仲間達の雰囲気を和ませる、ある意味マスコットキャラとしての役割を充分果たしているわけだが。