つり球 第9話

 久しぶりに見たユキの般若顔。
 もうすっかり地球を救うパートになっている。ハルとコヽが対峙しているJFXは、姿を現してないから案外小さな魚とかせいぜい人間の大きさぐらいなんだろうか。ついつい竜とかそんな大きなものを想像してたんだが、町長の大騒ぎはミスリードなのかも。あれほどハルやコヽが釣ることにこだわってたしな。でも実際ユキが釣り上げて実態があまりにしょぼかったら、それはそれでせっかく磨いた釣りのテクニックが見劣りしてしまうのでなんだかなぁと。
 まぁ素直にいゝお話になっていて涙しながら見てたんだが、よくよく考えると、ハルが悪人で取り繕っていたゞけだと、みんながみんなコロっと騙されるよなぁという構図になってしまう。ダックの行動も悪者のようにえがかれてはいるが江ノ島の怪異が起こった時点での行動開始は組織としては正しくてヤマーダ一人の判断で止められるわけもない。もちろん物語としてはダックがハルの行動を余さず監視しているわけで、視聴者にはダックもハルが騒動の張本人ではないことがわかっていての行動だというのが提示されており、ちょっと進んで考えるとダックはハルと交渉するよりスケープゴートにして犯人に仕立て上げるんだろうなという構造を示している。まぁ今ドキの警察・検察(他それを駆使する政治屋)あたりはみんなそうだよなと納得の出来。
 ハルの江ノ島乗っ取り宣言はおそらく住人を避難させるための狂言なんだろうけど、コヽを失ってさらに窮地に陥っており、なんか対策があるのか心配になる。ケイトの推測もまだコヽが健在のおりのことなんで、ちょっとタイミングがズれているが、結果としてユキがハルを救いにいくきっかけとなっており、燃える。作品全体をみると見かけは結構奇抜なんだが、物語としては古い要素の組み合わせで作られている感じだな。新奇さを探すとすると、それはオラクルにケイトが配置されているということで、けっこう地味な部分に手入れをしたもんだと感心する。ケイトにでしゃばらせすぎると物語全体を支配しすぎてしまうんでそのへんはバランスをとっている*1ようだ。まぁなんのかんのいっても次回が楽しみ。

*1:ほのめかしより答えを与える要素が大きくてこれが今風なんかなとは思わされてしまうが