ヨルムンガンド 第12話

 見せ場を省略。
 よく考えたらこの回って第1期のトリなんだよな。うっかりしてたよ。最后は自然に後に続く話運びだったし、ヴァルメの復讐が終わっても今一この物語のミッション終了って感じがしなかったしな。CIAのオッサンはコヽの部下と会ってたから、ドミニクの雇い主じゃなくって、次期のキーマンってところか。いよいよコヽが武器商人をやっている本質に次から切れ込むってトコなんかね。が、この第1期でコヽの手下全員の紹介が終わったってわけでもないのがちょっと物足りないというか。でもそれ言っちゃうと構成がめちゃくちゃになるんだろうね。
 ヴァルメがカレンに撃たれ、カレンがヨナに撃たれてそれほど重傷でもなかったってことはカレンもヨナも手加減したということにしかならないが、なんでだろ?って結構長い間考えてしまった。要するに以前ヴァルメはカレンを意図的に見逃してるんだよね。カレンは陳の仇はとらねばならないが、命を救われた恩はヴァルメに返さないといけなくて、ヨナはカレンがヴァルメに致命傷を与えていないというのを認識して急所を外したと考えるしかない。対して陳はヴァルメを見逃してたんじゃなくて見落としていただけであって、しかもヴェルマー少佐の平和維持軍を中国軍が攻撃するのは筋違いという。まぁなんのかんの言ってもそういう理屈立てというか「筋を通す」ってことが結構重視されていてなるほどである。前回レームが約束は守れないこともあるというのをコヽと話していたが、守れなくても約束に対しては誠意を尽くすべきだってことなんだろうね。たゞ、これはあくまでフィクションであって、現実の傭兵界隈が筋立てを重要視しているのかはわかんないねぇ。命をやり取りするからこそ約束というか信用・信頼関係を台無しにする行為は忌避されそうだし、かといってすべての事柄をカネで換算するからこその傭兵かもしんないしで。それにくらべて正規軍だとか大企業とかは組織内政治で筋も信用もへったくれもないという状態。なんだかなぁ。
 うーん、第1期の区切りとしてのとりあえずの感想としては、武器取引の現場での命のやり取りを現代(日本)のさゝくれ立った職場環境のメタファーとして使い、コヽと愉快な仲間たちを理想的な上司-部下関係として描くってのは、なるほどサラリーマンへの応援歌的要素は織り込まれていると。組織としての理想がおそらく第2期で描かれるのだとは思うが、それ抜きにしても通常業務をドラマティックに描くものとしてはよくできているとしか。
 こういう組織で働きたいねぇってなもんか。