旅館ではテレビを見たよ。

 現在家にテレビがないためか、ネットに触れない暇つぶしにどうしてもテレビのリモコンに手が伸びてしまう。視聴したのは中村雅俊主演の積木くずしのその後のお話。穂積隆信の実話を基にした娘の更生を描いた積木くずしが一時有名だったのだが、その後の話だ。もう妻も娘も亡くなっているようでビックリ。こんな顛末だったのかという驚きもさることながら、実写ドラマとアニメとの比較にもなって面白く拝見した。二夜連続で、二夜目は実の娘でなかったという衝撃の事実が語られていたそうなのだが、そのときはテレビを見ることが出来る環境にいなかったので残念ながらといったところ。
 まぁフツーに考えても、こういう重たいネタはアニメでは無理であって、そういった意味ではやはりアニメはお子ちゃま向きのものでしかないんだなと痛感させられた。で、前の旅行のときに見たとんびでも感じたのだが、メッセージが明らかで、これはアニメのほうが結構複雑そうである。
 実は久しぶりにドラえもんも視聴して、ドラえもんにミサイルを出してもらったのび太ジャイアンスネ夫に裏をかゝれてちょうど米ソの冷戦構造のようになってしまうというエピソードを目にしてしまった。今ドキの子供は冷戦時代を知らないんだろうが、アニメはアニメで複線で伝えるものがあって、それはそれでバカにできないとも思ってしまった。
 自分もそろそろドラマを避けるような時期を過ぎているんだろうなと思いつゝ、しかし、このドラマのわかりやすさは今一まだ慣れないところが大きい。萌えアニメのテンプレ通りのキャラの対応とかもヒく部分は大きいんだがなぁ。でもまぁドラマにしろアニメにしろどちらもフィクションであって、あんまり入れ込むのはどっちにしてもアホらしいという自分がもう一人いたりして。
 ニュースで気になったのは信金のたてこもり犯のことだ。ピンと来たのは、アレ、警察の自演だったりしないか?ということだ。自動車に乗せられて連行されるときの運転手のちょっと苦々しそうな表情、その隣のドヤ顔のおっさんの表情をみてそう思ってしまった。犯人の手法があまりに稚拙で、警察の行動の様子が報道によって詳細に撮影されているところなどあやしげな臭いがプンプン。警察って不祥事が報道されて信用が落ちると、面子の維持のためにはなんでもやるって経緯があるので、このタイミングだとそうなんかなと思わざるを得ない。でもまぁこの程度の事件、普段は報道されないだけで、結構頻繁に起こっているのかもしれないね。警察はたゞそれをTPOに合わせて利用しているだけのような気がしないわけでもないし。政治も混乱というよりは崩壊しているって状態なので、有権者の興味を逸らせたいという圧力もあるんだろう。毛布で顔が視聴者に確認できなくなっていたし、自演用の犯人とは別に世間に露出するための捨石の役割を持った人が用意されていても不思議はない。
 しかし、テレビってホント視聴者にモノを考えさせないような作りになっているんだなと思わせるに十分だった。自分が幼少の頃はテレビも基本権力に歯向かうような態度だったような気がするんだけど、今はその片鱗も窺えない。アニメも行間を読む努力をしなければ結局表面をなぞって萌えてにやけてガス抜きされて終いってトコだろう。
 で、家電各社はテレビの売り上げが落ちてしまって大変らしい。地上波デジタルへの移行は、テレビを当たり前とする消費者にとっては期限までに買い換える性質のものだから、今買わない層は基本的に自分のように積極的に地上波でテレビを選ばない層だけだろう。今日本で爆発的に売れるとすれば、それはテレビの耐久性が極めて低く、1〜2年で買い替えって性質のものだったら…と思うんだが、それはそれで不誠実だからね。でもよく考えたら、テレビを設置している旅館は必ず(最低でもチューナー)は買わなきゃならないんで、本当に短期間の特需でしかなかったんだろうねぇ。