強化合宿からの続きなのな。
前回美波と明久の馴れ初めのお話をやったから、話が連続しているとは思っていなかった。というか、美波がチューをすることに対する説明のために来日直後のエピソードを挟んだのね。あ、ついでに言わせてもらえば、前回誤読してた。美波が自分のことを｢ウチ｣と自称するのは、当時｢ワタシ｣といえば明久が誤解するからなんだな。明久が自分に歩み寄ってくれた返報としてらしい。なんであのとき美波の頭に｢ウチ｣という単語があったのか不明だが、まぁそこは深く突っ込むのは野暮だというもんだろう。というわけで、ウチは…に続く言葉が省略されているのは、別に後続の台詞を視聴者に想像させるってのも無しになるな。
しかしなんだな、こういう人間関係のゴタゴタを理解しないとテキストを楽しみにくいという構造にしてきたのはどうなんだろう？と訝しがりながらも、結構面白くなってきた。今まで男共がバカだとばかりおもっていたのだが、果たしてそうなんかな？という疑問が湧いてきたのだ。元々明久や雄二*1は女に好かれたいと思っているわけで、例えば明久が瑞希なり美波なりに好意を寄せられて、それが面倒だと思いはしても、嫌だ近寄るなとは決して思っていないわけだろ。っつーか、卓袱台で同席した様子を見るとまんざらでもない様子だし。
おそらく今となっては明久は、瑞希と美波に好意を持っているし、好意を双方からもたれているってのが本能的にはわかっているのだろう。で、彼の中ではそれを必死に否定しているというか。彼自身がとても優しいって描写は既に何度も視聴者に示されているわけで、彼がどちらかを選べば、選ばれなかったほうは必然的に悲しむわけであり、そういう状態を明久が望むハズがない。だから彼はどっちつかずの状態を保つために他の女子に興味があるという体裁を取っているのだろう。もちろんどちらも振ることも瑞希・美波の双方が悲しむからしない。そういうのを優柔不断とか日和見だと非難してもいゝのだが、でもそれが最良の方法でもあるのだ。どうせ彼らは卒業するわけであり、その時にどちらかが諦めるかもしれないし、どちらも諦めるのかもしれない。もちろんそのとき瑞希も美波もまだ明久を諦めないでまとわりつくという可能性もあるのだが、それはそのときになってみなければわからないこと。話が進むにつれて明久が双方に対する好意を、態度でもモノローグでも示さなくなってきているので視聴者としては益々わかり難くなっているのだが、こうやって考えてみると彼は彼なりの最善を尽くそうとしているのがなんとなくわかるような気がする。どっちか選べば残りの学園生活を幸せに暮らせるかもしれないのに、明久自身が瑞希・美波の両方を気遣って生殺しの状態を敢えて選ぶというバカ*2と言われゝば、確かにタイトル通りにはなるんだよな。
