迷い猫オーバーラン! 第3話

 なんじゃこりゃ。
 いやぁ、この作品のことを、ちょっといいエピソードを混ぜた単純な萌えアニメとか思っていたんだけど、なかなか油断がならねぇな。
 驚かされたのは次の流れ。裸を見た仕返しに手を繋ぐということが形を変えた告白であること。それを(巧は気付かず)希が気付いて身を引くこと。希捜索中に文乃が理由に気付くこと。そしてなによりこのタイミングで文乃が巧に激烈告白すること。このコンボにはやられましたよ。文乃が気付いたところから泣きっぱなし。んで、普通ならすごい上滑りしてもおかしくないんだけど、今までの2話で巧も文乃も機微に通じているってことが描写されていて、違和感がないんだよね。
 いや、ホント文乃の告白にはやられた。最後にはなかったことにされてたけど、ツンデレと言えば物語では決して自覚的にデレの部分を見せないもんだけど、こんなに早い時期に叫ぶという形だもんな。フツーは素直じゃないから「悟れよ」だろ。ツンデレというフォーマットに従っていながら、それを崩すから意表をつけるのではあるが、これ、ツンデレを知らない人にも衝撃を与えられるだろう。頭が混乱しているうちにテンポ良く畳み込むもんだから、よほど注意していない限り、勢いでもってかれるわな。正直中身はそんなにあるとも思えないんだけど、これは面白かった。
 一言言わせてもらうと、アジールだったら来るもの拒まず去るもの追わずなんだろうけどな。ま、それじゃぁ話にならないし、現代のように人間関係が厳しい世の中じゃァ「はい、それじゃぁ自己責任ね」なんて流行らないしな。中世の日本のアジールだと、去る時にどんな手続きをしていたかなんて野暮だから触れないのが吉ということで。