Angel Beats! 第8話

 ユイの退場方法に今一意味が見出せない件について。
 ハーモニクスというスキルに注力していたせいか、考えるポイントは少なめだったかな。で、単なる永続的な分身の術らしい。が、なんで分身を作り出したのか、そして分身の意識がオリジナルと著しく違っている理由がなんか弱いな。攻撃的な性格がオリジナルの意志から生まれたとはあんまり思えないんだが。が、分身が凶悪な意識を持っていて、それがオリジナルに戻るときの変容の伏線であること、そしてオリジナルを救いに行く時の障害が必要であることが、物語上の役割なんだとしてあまり深くは考えないことにする。オリジナルが温くなっているので、馴れ合いばかりだと物語は動かないもんな。
 音無と奏の関係が今一よくわからんのだが、周囲はよく奏救出に同意したなぁと。作品の描写から、奏がSSSに対しての敵意がなくなっており、音無と奏に他のメムバーより強固な繋がりがあることを、周囲が理解しているってのはわかるんだが、順応性が高いと見るべきなんだろうか。直井もSSSに入っているようだから驚くようなことでもないが。殺されても生き残るという設定が、対立関係を希薄にさせるんだろうか?。
 ギルド潜入のSSSメムバーの犠牲については、前回の潜入もあって面白い効果が出ていたな。俺の屍を越えていけってのをわざと安直な消費行動にしたてることで、過剰な感情に溺れることなく、機能の一つとして客観視できる行為として描かれていた。単なるパロディだけじゃないんだよな。茶化してはいるけど、説明は十分に果たされていると感じた。
 しかし、この段になってもまだ神の存在とか不確定だよな。天使との戦いで、打ち合う場面では破片が数字の形で飛び散っていたのだが、登場人物たちが虚構の存在であること以上に、例えば誰かの開発したゲームソフトの中のプロットでしたってメタ構造を示して終わりって事はないだろうな。そりゃたしかに所詮はフィクションなんだけどさ。