ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第6話

 なんかいろいろ謎がありそうだな。
 なんとなく'30年代テイスト。トンプソンの変わりにMG34ってのはご愛嬌だが、たしかに迫力はあるわな。給料の遅配、軍票と、現代でも笑えないネタにはハッとさせられる。そういや、軍票を支給されたら、軍人はさっさと使ってしまうだろうと思うんだが、実際はどうだったんだろう?。軍人ではなく、旧日本軍は補給が壊滅的にダメだったから、物資を軍票で現地調達していたらしいが。軍票は敗戦とともに紙クズとなったから、要するに泥棒したワケだよな。あー、そうだ、給料が軍票なんだとしたら、あの砦のどこかに、現金支給のため必要のなくなった軍票があったりすると思うんだが、それはどうなってるんだろうな?。話には全く関係ないけど。
 ストーリーの構造が、エロゲ・ギャルゲのような複視点になってて、最初戸惑ったが、慣れるとうまく繋がっているのを確認して感心した。まぁ技巧に走って浮付いたような感じがしないでもないが、別に本筋はしっかりしていたし、ちょっとしたサプライズにとどまっていたようだ。
 しかし、反戦色が強まっていて、これは他の視聴者にはどう受け取られているのか気になる。自分なんかは就職以来職場がギスギスしてきたのを実感して、いろいろ調べてみると、これはどうやら日本の組織構造のあり方に由来するらしく、それが顕著に表れたのが先の大戦の軍組織のあり方だってのに行き着いた。だから強欲な人間の出世を止められない日本のあり方ってのが、その組織だけでなく、周囲も巻き込んで不幸にしてしまうって構造に気がついてしまったわけで、戦争を許容する組織のあり方が如何に人間を不幸にするかって視点が身についてしまい、こういうストーリーを見るとどうしてもそれらのことに思いが巡ってくるわけだ。自分は決して戦争を経験しているというわけでもないのだが、例えば職場でのリストラ・パワハラなどで、離職だの自殺だのが起きるってのは、今の日本が経済戦争という名の戦争に参加して、労働環境でどんどん戦死者が出てきている状態って考えたりする。実際に武器を手にとって人殺しをする戦争も、経済戦争も、下っ端にしわ寄せが来るって構造としては全く同じなわけだ。命令ばかりは偉そうに下すが、補給も給料もまともに支給しないって、まさに現代日本の経済状況そのものダロ。
 ミシオの不幸は、父親が失職して母親もしかたなくパートに出て体を壊して死に、子供が取り残されるって状況となんら変わりは無い。不況下の惨状から戦争を想像するにせよ、知識としての戦争の悲惨さを現代日本の劣悪な労働環境に敷衍するにしても、どっちでも本作からなにかうったえられるものはあると思うんだよな。
 リオが髪を洗わない理由ってなにかあるのかね?。