ドルアーガの塔 〜The Sword of URUK〜] 第4話「幻影の中へ」

 ギルガメスという男は国にとって不可欠な部品なのだから。
 ググることになったのはいいきっかけと、ちょっと読んでみたけど、なんつーか、皮肉だわな。軍部や右翼が天皇機関説を否定して天皇主権説を奉じて暴走し、結果天皇を頂点とする日本は滅亡した。むしろ天皇機関説にのっとって国を運営していたら、大日本帝国憲法が現在に至るまで生き残り、軍の暴走も無ければ敗戦もなく、アメリカ合衆国と並ぶ世界の大国であった可能性すら考えられる。今回のアミナの言動を見るにつけ、彼女もギルガメスを単なる国民の人気取りの道具として利用する浅はかな了見ではなく、もっと国家運営の根幹に関わる部分で彼女なりに格闘しているんだろうなというのが窺えた。
 しかし、やたら密度が濃いと思ったら、賀東招二かよ。そりゃぁな。まず今回でジルたちはようやくカーヤやニーバに追いついたってとこで、各キャラの動機や経緯を整理していた。とはいっても、すべてを明かさないってとこがニクいわな。
 主人公とはいえ、ジルはちょっとわかりにくいわな。ちょうど前期まではタダの熱血バカだったわけで、奥深さもヘッタクレもありはしなかったのだが、今期に至っても彼の内面にいろいろ変化があった事は確かにせよ、やっぱわかんない。彼の決断もどこまでの覚悟があってのものなのかは一切見えない。というか、前期でもそうだったというか、上記天皇機関説でもそうだったというか、彼自身の個人的な欲望が動機となった途端、ミッションの求心力的役割を失ってしまうわけで、こればかりは責められない…というか、よく考えられているじゃないですか。
 ファティナも出発時にはあれほどスねていたのに、片道切符でもジルについていく(さらに頂上を目指す)という決心が強く現れていたわけで、これまた彼女の内面をあれこれ詮索するのが楽しい。
 で、メルトもタダの俗物じゃない…というか俗物というのは単なる皮で、その実すべてを見通して飄々と生きていたってスタイルがなんともな。まぁ彼にしてみりゃ世界の混乱の原因を引き起こした側でなく、むしろドルアーガ退治で善の側にいたわけで、で、頂上を目指した所で何の益も無く、世界のゆがみを放置した所で彼の生きているうちに世界が崩壊するなんてまずありえないわけで、それなら生きているうちにいろいろ楽しんでやれというのがメルトランドであり、世界に配慮するよりは自分の身の回りだけに気遣っていたほうがはるかに気苦労は少ない。ま、大人の判断だよな。
 しかし、ヘナロは上半身は全くといっていいほどそうでも無いのに、下半身の描写はエロすぎ。