機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン 第12話「宇宙で待ってる」

 沙慈もルイスも未だ使えんやつよのぅ。
 キレイ事を口にするだけでなんら行動の伴わない沙慈、っつーか、妙な方向に行動力を発揮してむしろ破壊ばかりしている…は、プロ市民予備軍のメタファーなんだろうか。で、ルイスはこれまたバカで行動力だけは人一倍あって、犯罪に加担する側で怒りを発散しているのは田母神のようである。物語的にはもうそろそろ沙慈あたりに成長させて未来への指針とやらを示してもらいたいところではあるが、「誤解が招くすれ違い」というメロドラマ主体がこのまゝ続きそうではある。というか、刹那、殴られるんじゃなくて殴れよ。殴ってホモフラグが立つのを恐れているのか?。馬鹿の目覚めが遅ければ遅いほど、被害は甚大にならざるを得ないんだが。
 今回の清涼剤はアンドレイ。やはり熊の息子ではあったか。熊と同様恋愛感情が抜けているのが素晴らしい。
 しかし、なんだねぇ。ここいらでイノベーターの一人でも殺してくんなきゃ面白みが無いわな。人間より優れているということならば、もうちょっと冷静な行動を見せてくれてもいいと思うんだが、これじゃぁ影響力の大きいおもちゃを振り回すだけの自我意識の肥大したお坊ちゃまじゃねぇか。まぁそれは今居る二世三世議員のメタファーだというのならわかりもするが、それならば使えないイノベーターの一人や二人が自滅するところを見せてくれないと。あくまでも優れているというのであれば、アレは見苦しいだけだろ。アロウズに派遣されている(優れているはずの)二人が二人とも予測行動も見切りもできないって、ロボットアニメ黎明期でもなかった構成のような気が。
 また、衛星兵器破壊作戦も、始まる前からなんか微妙臭漂うわな。そもそもゲリラ戦ってのは、臨機応変に集散を使い分ける機動性にあるのに、わざわざ艦隊を編成し、しかも戦力分散の愚を犯しているしな。まぁ今回艦隊を二つに分けることで、戦力が半減ではなく、4分の1で済んだという見方もできますがね。
 アレだけでかい構造物があって存在が確認できないカタロンの情報力もアレだし、いくら緊急事態とはいえノコノコ撃ち落とされにいくような無鉄砲な戦略・作戦もアレだし、なんか展開自体が萎える。それで結局ソレスタルビーイングがやっつけちゃうわけだろ。なんかガンダムの真髄とかなんとか言ってたが、その実、敵よりでかい武器で殴りに行くだけだろうしな。ここで、うまくスメラギさんが演出して、衛星兵器がアロウズや連邦本拠地に落ちて、しかもそのおこぼれで食っている周辺の民間人が大量におっ死んで、「アロウズの人を人とも思わない外道な行為が回りまわってアロウズに降りかかって自業自得」という世論形成に成功するとかだったら評価もするんだが、なんか、衛星兵器が落ちたとしても連邦に関係の無い土地に落ちてソレスタルビーイング許すまじの流れになりそうでなんだかなぁですよ。
 うーん、やっぱコレは中高生向きなんかね。ゆとり世代を対象に発信しているという。無力なお姫様も、身の丈にあった戦いにいつ立ち上がるのやら。どう考えてもガンダムマイスターに中高生達を重ね合わせることができないように思うんだが、いくらでも「待った」を許されている沙慈や、やってしまったことが運良く被害が出なかったことになっているルイスとか、もう優遇されまくりなわけですが。