【ガソリン高↑】サウジは1㍑が13円、ベネズエラは5円…産油国は「取引所」を通さず直接流通←→先進国は「取引所価格」+高額の「税金」

 国によってこんなに違う!ガソリン価格の国際比較


 いまだ高値が続く日本のガソリン価格。もちろん価格高騰で大混乱しているのは日本だけではないのだが、下表の先進主要国のガソリン価格ランキング(今年5月時点)を見てほしい。1リットル当たり平均小売価格160円の日本に比べて、じつは欧州諸国のガソリン価格は著しく高いのだ。逆にアメリカ、カナダは、日本よりも安くなっている。この価格差は、どうして生じるのだろう?

「世界の主な原油価格は、ニューヨーク商業取引所のマーケットによって左右されています。原油価格に比例してガソリン価格も決まるわけですが、じつはガソリンそのものの税抜き価格は、各国あまり変わりません。国によっての店頭価格は、そこに上乗せされる税金の額で差が出るんですね。税金には、間接税と直接税があります。欧州諸国では、一般的に消費税に代表される間接税が高く、ガソリン価格に大きく上乗せされています。逆にアメリカは、直接税の比率が高いので、ガソリンにかかる税金が低く、価格も安くなる。日本は、いわばその中間型なんですね」(石油情報センター・前川氏)

相対的にみると、日本のガソリン価格は低いといえるかもしれない。だが、社会保障が手厚い欧州諸国とは税制のあり方自体が違うので、なんともいえないところだ。

では、先進主要国以外のガソリン価格はどうか。各報道からピックアップしてみると、中国は1リットル当たり約85円、原油採掘が国の基幹産業であるUAEは約39円、サウジアラビアは約13円、ベネズエラにいたっては何と約5円といわれている。

「中国は、まだ自由経済とはいえません。国家が価格調整をしているから安いんですね。一部の産油国の場合、自国の市場におろす原油は取引所を通していないと思います。取引所で投機の対象になっていないので、当然ガソリン価格も安くなりますよ」(同)

ほとんどすべての原油を輸入する日本にとっては、まったくうらやましい話である。何とか、その5円のガソリンを売ってもらえませんかね(泣)。
(武藤平蔵)

 ベネズエラは国策で安いのかもしれないが、掘削原価はだいたいリッター10円なのかな。自噴井だとほとんど原油掘り出しに金がかゝらないらしいが。まぁ正直金をガめているのはそのとおりだろう。