あ゛〜、陰マモ7・8巻を読んじゃったよ。

 6巻がゆうな当番回、7巻がホタル当番回、8巻が椿当番回でした。あと9が山芽、10が沢菓当番回で、10巻のあとがきを先読みしたんですが、次の11巻で最終回らしい。
 勢いもついちゃってるし、あんまり深く考えずに読んでいるせいか、たのしくてしょうがない。このゆるゆるな雰囲気のなかにもメリハリがあって、伏線も落とし込みもきちんと入っているので、そりゃ読み応えはないけど、読む手が止まりません。こう次々と読んじゃう本ってここ10年ぐらい無かったなぁ。軽く読めちゃうってのも大きいんでしょうが。
 なんで阿智太郎がこういう下働きのサラリーマンの応援歌的作品を書けるのか?と考えていたら、あとがきを読んでみると、どうも彼自身サラリーマン*1っぽい。第6巻のあとがきに、同僚たちが会社のパソコンで美少女ゲーの画面を見ているだの、上司がエヴァの話をするだの、趣味のかなり似通った方たちの揃った、いかにも理解のありそうな職場でとてもうらやましい。
 っつーことは、会社員の傍ら小説を書いているってことかな?。まぁ質は違うが、自分もこうやってテキスト文をエントリーできるんだから、文章を物理的に書くのは不可能ではないとは思うが、二足の草鞋は大変そうではありますなぁ。しかし古本屋で買った6冊も昨日本屋で買った4冊も全部初版本*2で、増刷のかゝらない作家なんだと思うとちょっと胸に来るものがある。
 なんでケチケチせずに1〜6巻も本屋で買わなかったのかなとかね。たぶん全部新品で買ったら折込チラシも新刊当初のまゝ入っていただろうしな。何部売れているのかわからないが、大ヒットしそうに無いこういう作品を出しつづけているメディアファクトリーも応援しなきゃなんないかな?。大体1年に二巻は発行していているから、隔月巻に一話掲載する文芸誌みたいなもんがあったら連載なんだろうがね。文芸誌も流行んないしな。
 挿絵のまだらさいはなんと女性。ずっと男のイラストレーターかと思ってましたよ。巻によってばらつきはあるんだけど、イラスト枚数が増えるのは第6巻ぐらいからかな。どうもアニメ化・漫画化される2005年後半ぐらいから気合の入り方が違うような気はする。まぁ確かに前半1〜5巻だと、マモルはただのボヤキ、ゆうなは天然そのもの、愛里はワガマヽ娘、椿は融通のきかないお局さん、山芽はおこちゃま、ホタルはカマトトと見えてもしょうがないわな。
 しかし、話が進んでくるとマモルのボヤキもわかってくるし、ゆうなの純情さも見えてくる、愛里の真意もはっきりしてくる、椿の不器用さにかわいさが付け加わってくる、山芽の一途さが爽やかになってくる、ホタルに裏心がないことが明らかになってくると俄然魅力が増すわけです。挿絵も気のせいか心が入ってきているように思うんですよね。なんつーか、オタクはこういうのが好みなんだろ…みたいなものが抜け落ちているというか。
 まぁ正直ヒロインズも男にとって都合のよい女像でしかないわけで、「どこにこんな性格のいい女がいるんだ?」と思わないでもないんだが、女性読者とかいるんかね?。椿・山芽・ホタルの3人は恋愛の部分を除くとマモルに助けられるだけでなくって、マモルにも頼られるわけであって、仕事に対する共通理解なんてものもある。前半部分では確かにいくらヒロインたちが可愛くかけていても所詮男に都合のよいキャラ作りで終わってしまっているわけなんだが、巻数が進むにつれ、やっぱりヒロインズもいわゆるサラリーマンならぬサラリーウーマンのメタファーに繋がってくるわけで(しかもヒロインズは孤立しているので、職場に実在しているであろう女性職員同士のドロドロからは一定の距離がある)、ちょうど仕事に見切りをつけて身を固めるか…と思っている女性の方々には充分親近感が持てる内容になってはいやしないかとも思わんでも無い。
 10巻が最近出たようなので、最終巻はだいたい年末頃、遅くても来年の3月ぐらいには出るだろうから、待ち遠しいというか、もう終りかよといった微妙な感じである。ただ、このまゝ巻数を重ねてもダラダラするだけだろうから、次で最終巻ってのはいい〆どきではあるんだろうな。
 あぁ、7・8巻の内容に全然触れてないなぁ。

*1:といってもレッド・エンタテインメントなわけだが。

*2:実は古本屋で買った第1巻は、カバーに本の紹介が第三巻まで載っていた。中身は初版第一刷と書いてあったんだが、どうなっているんだろう?