で、時局なんだが

 松岡大臣の死も、どうも自分の中では3〜4日でピークを過ぎた感じだ。自殺でも暗殺でも自民党が追い詰めたという線はまずまちがいないだろうと思うのだが、野党以外で自民党に恨みを持つ裏組織の犯行かも知れず、どうにも気持ちが悪い。
 先日は安倍首相の本当の狙いは天皇に主権を返して汚名を返上することなのかも?という推測を書いたが、それも低い可能性の一つでしかない。そもそも祖父が天皇の意をないがしろにして利権を掌握しようとしたのに、戦後首相をした祖父よりはるかに悪政をしいている彼がまさか殊勝な心がけをしていると見るのも馬鹿馬鹿しい限りである。
 さて、いつもの妄想であるのだが、彼の祖父の行動を見てみると、最初っからアメリカに日本を売るということを考えていたのかもしれないという線が浮かび上がる。満洲国での産業分野を握ったこともある彼が、満洲にこだわらずに日本に返り咲き、何を考えていたのかを考えると空恐ろしい。満洲は日本にとっては本土にはない資源供給地と、ソ連に対する緩衝地帯というほかには成長要素があまりなく、利権をチューチューするには発展性があまりになかったのだろう。だから軍部は触手を南方に伸ばしたというわけだ。
 で、日本で商工大臣になった彼は、なんで満洲時代からのつきあいである東条の暴走を止められなかったのか?という点に行き着く。もし、彼が本当に賢かったのなら、工業生産力で米国にはるかに劣る日本が戦争を仕掛けても早晩負けるのはわかっていたはずだ。別に米国に太刀打ちできないのは先見の明がある少数だけでなく、大学すら出てりゃ誰だって気付くことだったわけで、軍部ですら無茶なのをわかっていた人がたくさんいたのはいろんな文献に出ている通りである。
 日本の開戦を米国は既に知っていたという説もよくささやかれているし、むしろ米国は日本に先に手を出させるよう謀略を行っていたと考える向きもある。どっちにしろ米国に太刀打ちできないということがわかっていながら、開戦を傍観していたのは明らかである。もしかすると日本の政局内部の情報を米国に洩らしてもいたのかもしれない。
 そして戦後はA級戦犯とされながらも不起訴処分になり、公職追放が解除されるやいなやスグ政界に復帰する。仮にも大臣として日本を敗戦に追い込んだ張本人が、開戦までに対米戦争に反対しなかったばかりか、その反省もせず政界に復帰とは、どんな神経をしているのか?と思われても仕方がない。普通日本人なら亡国の責任に恥じ入り、隠居するはずである。結局総理大臣にまで登りつめているわけであり、これは戦前の総理大臣とは格が違うわけである。
 戦前は現人神と言われるほど天皇自身は神格化されており、総理大臣はその臣下の一人でしかないが、戦後は天皇は人間に「格落ち」されており、また某国の国家元首であったこともセットになっている。天皇は国家の象徴ではあるが、民主主義の上ではあくまで国民の一人なのであり、総理大臣は代議士制からいうとまさに国家元首といってもいい存在である。岸信介が日本でトップに登りつめるためには戦前では天皇の存在が邪魔であったわけであり、彼は日本を戦争に追いやって敗戦させ、国家のルールを変えることにより、彼自身が総理大臣になることで成り上がることができたわけである。
 だから、彼自身の栄達のために日本を壊す必要があったわけであり、もしかすると米国辺りのユダヤ金融資本の働きかけがあったかもしれないし、それが無くとも初めっから日本を敗戦させて自分がトップになるためのルール変更を企てていたのかもしれないわけだ。彼自身がだれからの働きかけも無く積極的に開戦情報なりを米国に知らせていたかもしれないし、米国の働きかけに積極的に応えたのかもしれない。60年安保闘争に見られる通り、米国にご褒美として日米安全保障条約・新条約の調印・批准をする。たしか強行採決じゃなかったっけ?。
 つまり、彼自身が日本のトップになるために平気で国民を戦争に駆り立てて何百万人も死に追いやったりするし、当然トップになるために邪魔な存在をないがしろにもした。彼が天皇に対して何の敬意も払っていなかったことはこのような経緯を見てみれば明らかである。繰り返しになるが、彼が敗戦責任を少しでも感じているのであれば、戦後政界復帰なんてしないはずである。
 その孫である現首相が、いくら日本会議とやらで天皇制の復活なんてことを口では言っていても、少しも信用ならないのは歴史が証明していることである。彼のやっていることは強行採決などやり口が祖父と同じであり、というか祖父より酷いことである。国民自体が政治に無関心だから、国会議員を会議場から追い出すことをしなくてもよくなっているというだけで、国民が声をあげないから強行採決でやりたいほうだいなのはむしろ孫の彼のほうである。血は争えないってことか…。彼に子供がないという話ではあるが、国民が知らないだけで隠し子がいて、海外に逃避させた財産でいくらでも生き延びていくことができたりするんだろうな…。