相撲が終わり、久々にいきいきホットライン

 結構受信状況良く聴けた。

「定年後はどこに住みたいですか?」▼渡辺淳一(作家)
○ 定年後や子どもが独立した後、どんな場所に住みたいと考えていますか?
○ 住むとしたら便利な都会と自然豊かな地方のどちらを選びますか?
○ 定年後にはふるさとに帰って暮らしたいと思いますか?
○ 夫婦の間でどこに住むか話し合っていますか?意見が違ったらどうしますか?

 シニアライフということで、団塊の消費拡大を狙った構成とも思えるんだけど、結論を先に言わせてもらうとそこそこ面白かった。ちょっと話的にはうわついた感じがしたんだけど、夢物語を語っているんじゃなくて、各人の都合にあわせてつまみぐいできるような話題のばら撒き方は作家ならではなんだろうな。投書も微笑ましいものがあって和やかに聴けた。自分が大学生の頃はやれUターンだの、Iターンだのがもてはやされていたんだけど、いまや地方には仕事も金も無く、開放的ならまだしも、よどんだ田舎には閉鎖的な人間関係のみってこともあってなかなか難しいと思う。農業は片手間に素人にやれるものでもないということがわかってきたし、じゃぁ経験豊かな農家のやりかたが上手くいっているのか?と問われれば、場合によるとしかいえない状況。老後は田舎でのんびりというのがかなり幻想であるってのがわかってきただけ昔よりマシなんじゃないかな。個人的な見聞だと、ここ10年来で退職していった人は、交通の要衝であること、人の往来が多いことをかなり重視している人が多くて、それこそ古くからそこにいる人でもなければ田舎に引きこもってってのはほとんど聞かない。
 以前私は日本のあり方は新しい共同体を望むか近代個人の発達を望むかのどちらかって述べましたが、今日のラジオではゲストも投書も閉鎖的な人間関係を嫌っていて、共同体案は難しいと思わされた。いやラジオで言っていたから日本全体がそうだとは言えないんですけどね。近代個人の成長を期待するのはどうなんだろうねぇ。高度分業社会を理解せねばならず、それには結構想像力が必要とされるために、学力低下時代では乗り切れんような気がするのだが。ゆとり教育の失敗は衆目の一致するところだが、実はゆとり教育で生まれた時間を子供の成長に費やすのはその家族や地域社会であったはずで、結局手許に託された子供を社会の一成員としてどう育てるかの能力が大概の親になく、また共同体としての機能を失った地域社会の成員がせめて一個人としても教化する能力がなかったということを露呈してしまった直後のような気がするんだが。なんつーか、もう団塊だけの問題ではなく、日本全体として自分がどの地域に棲むのか、老後はどうするのかまで全部自己責任ということになりそうではありますなぁ。経済だけでなくなにからなにまで格差を意識させられる時代になるんかいな。