タクティカルロア 第13話「アウトワールド・バウンド」

 やけに淡々とした最終回だったなぁ。
 腰を落ち着けてしまうと進歩することが億劫になるから、わざと混乱を演出するってのがノイントテーゼの趣旨なんだろうか。そして作品で述べたかったことがそれなんだろうかねぇ。なんかタクロアの世界観の説明だけで終わってしまったような気がするのですが、気のせい?。たぶん東南アジアでは今でも海賊行為が盛んで、なかなかニュースに露出しないだけで派手さは無いけど海賊行為は結構あたりまえの世界なんでしょうか?。一時盛んだったシーレーン防衛とかも最近聞かないんだけど、製造業が廃れたとはいえ日本が貿易で食っていかなくちゃなんない、しかも市場経済で物価が安定しなくなってきている現状、海上交通の重要性が低くなっていることはありえないと思うんですが。グランドロアという仮想の事象を出したほうがより視聴者に認識させやすいとは思いますけど、その努力とは裏腹にそんなに効果があるとは思えないし、そもそもそんなことが言いたかったのか、80%以上は違うんじゃないかと。まぁ何を伝えたいのか、軸になる部分がよくわかりません。海を巡る群像劇ってのが一番近いんじゃないかな。考えなくて済むし。
 物語の核はわかりにくかったんだけど、複数の人物から構成されるエピソード、つまりクラスター単位の描写は優れていたように思います。ポイントを絞った作画は良かったなぁ。翼がスタッフというよりは翼担当の人の愛が感じられましたし…。なにより戦闘シーンが燃える。今回の対ラッシュビヨンド戦はキャラ同士の気迫勝負が良かったのですが、戦術としては今一かな?。まぁ尺の関係で、戦闘に凝れなかったとは思うんですが。粘り勝負も見てみたかったのですが、案外現代戦は時間がかかんないんだよね〜。フォークランド紛争のときもそうだったのですが、沈む時はあっけなく沈むでしょうし。メカの動きがあせっているように見えるのですが、ゆっくりした動きで時間を潰すわけにも行かなかったんでしょう。さすがによみ空と比べるのは酷か?。
 なんか急いで終わりました!という感じがしてちょっと拍子抜け。次があるとも無いとも見当がつかない終わり方…って、多分ないでしょう。初期のお色気祭はやっぱり要らないかな。かといってそれを除いたところでストーリーを充実させるのも難しそう。ポイントがはっきりしないのがもったいないところですが、私は毎回楽しめました。次のシリーズがあるのなら飛びついて見ますよ。スタッフの皆さんはお疲れ様でした。