闘牌伝説アカギ 第26話 「狂気と闇と…」

 困りましたな。
 最後の場面がああだとアカギが勝ったという暗示なんだろうな。まぁアカギは負けていて、最後歩いていた人影はアカギの遺志を継ぐ者という流れでもいいんだけどね。
 以前も記述しましたが、鷲巣麻雀に入ってから「勝つのはどうせアカギ」というはじめに結果ありきという見方を私はしてしまっていましたので、アカギが死線を漂うということにはあまり期待せずに視聴しておりました。いやな視聴者だねぇ俺はとは思いますが。生きるか死ぬかの勝負でなければ、アカギは負けたとしても地を這う思いをするかもしれませんが、捲土重来を期すればよいだけなので、まさに視聴者はアカギが勝負に勝つのか負けるのかという瀬戸際を楽しむことが出来るんじゃないかと思います。そしてそれは、第一クールでそういう構成だったわけで。
 基本的には全体を通してかなり面白かったことには間違いがないんですが、ツッコミを入れさせてください。
 最後鷲巣に戦いを挑むときアカギが血液を犠牲にするという描写ですが、びっくり箱的な面白さでしたな。視聴者としては度肝を抜かれたんだけど、時間が経ってみるとアレもアカギの演出の一つということが見えてきて(そうでないのかもしれませんが)、どうにもすごさが長続きしない。1400cc抜かれているのにふらふらという描写でないのはどういうことかにも疑問を感じます。自分自身そんなに献血の経験がないのですが、普通400抜かれたら頭がボーっとするぐらいにはなるだろうと思うのですが。必要のない描写なのでどうでもいい話ではあるのですが、ドリンク剤を補給しつつ造血の時間を稼ぐとかいうことなのかな?と思っていたのですが作品中では言及がありませんでした。
 金がなくなったら破滅という設定も、隠し財産で萎えました。あの時点で鷲巣もアカギも同じ三億で対等、かつ最後の財産を引っ張り出してきたことで鷲巣の本気を描写したんだと思うんですが、自分的には後づけかよ〜という感じが。もちろん最初鷲巣はアカギをチンピラ扱いしていたからそれなりの対応をそれまでしていて、アカギが鷲巣の本気を引き出したという描写になっていてそれは納得がいくのですが。こうなってくると、海外に逃げる鷲巣という設定からして、海外にも隠し財産がありそうで(海外への資産流出が制限されていたといっても、金に替えて運び出すのは可能だから設定として無理はない)、やっぱり己のすべてを賭けたという部分に疑問の余地が残ります。
 そしてやっぱり相手を見下した状態の鷲巣だけでなく、裏の世界を牛耳ったというその実力でアカギに全力で向かってくる鷲巣の描写を結局せずに終わったのも、番組が終わって見ると物足りない気がしてなりません。ただ、これは原作でもそこまで行ってないのかも知れず、そもそも無理な相談である可能性が高いのですが。結局いままでの鷲巣との勝負は、彼が本気でない部分だけを視聴者に見せていたのか?となってしまうんですよ。鷲巣が本気になって、もっと面白いであろう真の勝負を見せないで、前座だけってのはなぁ〜。他の感想サイトさんでも「死んじゃうツモ〜」などの鷲巣の香ばしい台詞が話題になっていましたが、あれは子供だましor時間稼ぎだったのか〜とも思えてきますし。アカギが勝ったことをほのめかしたりするぐらいなら、鷲巣との本気勝負をオリジナル脚本で作り上げて、第二クールは第1〜4局の前座勝負、第5〜6局の本気勝負の両方を描写すべきだったんじゃないですかね?。
 まぁ長々と書いてきましたが、重箱の隅をつつくようなことであり、スタッフが作品を通じて視聴者に何を突きつけたいかのを考えてみれば、必要な描写は極力省くべきであり、それを考えると非常に出来の良かった作品だと思います。それが何かは書かないけど。公式HP(BBS)では続編はないって言っておりましたが、もしかするとOVAとかまさに続編で、この続きやオリジナルストーリーをやるかも知れず、かといって過度な期待をしないでおくというのが正しいスタンスかな。とりあえず、このアニメ乱立のなか、かなり楽しませてもらったのはたしかで、スタッフの皆さんには感謝いたしたいと思います。