スターシップ・オペレーターズの女性たちと現代女性観

 スターシップ・オペレーターズにはたくさんの女性が登場します。もちろん華があるからそうしているだけなのですが、作中ではかっこよく描かれています。飲み会の代金も割り勘だとか言ってましたし。なにやらこの世界では男女が“らしさ”を失わずに能力や責任などが公平に負担されているような描き方のような気がします。もちろん番組の意向であまり管理側にはいませんが。
 自分の体験話で恐縮なのですが、今でこそ転勤して割と余裕を持って仕事をさせてもらっていますが、職場によっては女性の占める割合が多いところがありました。結論を言うとそこでは「しんどかった」です。作業量から見ると優秀なのですが、判断に柔軟性がないというかなんというか。スターダスト・メモリーベルモント提督ではありませんが、王国伝統の戦法で勝つことにこそ意味があるのだ的な人が若干おり、その意見に流されるような形で仕事が進んでいました。それで仕事がうまくいきゃ別に問題はなかったのですが。
 自分が高校生のときに男女差をなくす方向でどんどん法律が改正されていったような記憶があり、ウブだった自分はもっともなことだと思っていたのですけど、本当に正しかったのかここ何年かの体験・現象を見てみて切に疑問に感じます。たしかに今でも仕事もそつなくこなすし、家庭でもバリバリ家事をこなしているだろう人を見ますので、そんな女性は男性よりも評価されるべきだとは思っているのですが。
 自分が就職するときには、状況は厳しいとはいえまだまだ人手が必要とされていたような時代だったと思うのですが、そのときの考え方がおそらく「女性の社会参加による産業の活性化」というのがたぶん先にあり、それに駆り立てる方便として「男女共同参画社会」というのがでっち上げられたのではないかと思ってしまいます。今でこそバブル期の考え方ではいけないとの反省が経営側にも認識し始められているようですが、昔は拡大路線が既定方針でした。家庭でくすぶっている女性を働かせて経済を活性化させ、子育てや家事を外部化してしまえば新たな雇用が創出でき、それも経済拡大に役立つというものだったのではないかと思っております。
 その時期の新聞に載っていたと思うんですが、たしか家事の価値が年に2〜300万相当というものでした。場所にもよると思いますが、保育料が月に10万必要だそうです。自分が働きに出て200万でも稼げばトータルで言うと黒字であることから多くの女性が得と判断して働きに出たものと思われます。しかし保育園を実際に見てもらうと分かると思うんですが、それだけ払っても至れり尽せりの対応が期待できるわけでもありません。自分で子育てをすれば、きめの細やかな対応が出来ますから、うまくいけば一人当たり200万以上の労働に値すると私は思っております。なので子供2人を持つ専業主婦の労働価値はうまくいけば500〜600万ぐらいではないかとおもっております。(時間単価1200〜1500円と見積もって家庭教師なりを雇うと仮定するとそういう計算になる。もちろん人によって能力の差はあるとおもうので年100万でも雇わないヨ!という人がいてもおかしくない)昔と比べて子育ての情報が得られにくいものの、家電製品のおかげで負担は減少しているでしょうから昔よりは若干少ないかトントンといったところでしょう。そう考えると昔の女性は大変だったろうなぁと頭が下がります。社会的に見て専業主婦のほうがいいのかやっぱり働いたほうがいいのか迷うところです。現在は結婚していない女性も多く、子育ての技術がなくなってしまって大変なことになっておりますので、かえって保育園や学校に任せたほうがマシな状況になってきているのかもしれません。
 それで女性が社会進出するようになって、そのことが就職状況を圧迫してやしないか。という疑問が私にはあります。昔だって収入が足りないとなると共働きであった家庭もあったろうし、農家や個人商店が多い時代には専業主婦なんてやってられなかったでしょうし。ただ、あまり子育ての外部化はしてなかったような。子供が家の手伝いをすることによって社会勉強にもなったろうし。男性も女性も等しく働かされるようになってもたらされたものはなんだったのか。女性が働くことによって男性の労働時間が短くなったわけでもなし。女性だから優遇されていた部分がなくなったわけでもなし。就職難・子育ての崩壊・低賃金多拘束時間的労働・地域の荒廃(田舎や都市も関係なく)、こんなものを我々は欲していたのか。
 状況が厳しくなっているからこそ、女性だってウマいところは手放したくはないだろうし、男性だって女性に劣らずダメなところもあるので一概にはいえないのですが、いいとこ取りをする女性の氾濫によってかえって尊敬すべき女性自身がイタい目に遭っているような気がします。いまさら女性に家庭に帰れなんてことはあまり現実味がないし、やってみたところで混乱を生じるだけなんで無駄だと思います。なんかやるせないなぁ。まじめなやつならともかく、欲ボケ女子高生を見るとこいつらが社会人化してこれからどうなるんだろうかと暗澹たる気になります。本当にスターシップ・オペレーターズにでてくるような人材が輩出されるの?
 今回はかなり妄想的です。専業主婦の労働価値からして適当かどうか分からないし、専業主婦の時代による変遷なんかも予想の範疇です。女性が実際に職場の混乱原因となっているのか、男性と同等もしくはそれ以上の働きをしているのかもわかりません。結婚退職する人員の詳細もわかんないし。職場としては教育費用を掛けるのかどうか微妙だよね。ってか男性社員ですら教育費用を掛けないような世の中にはなりつつありますが。もし本当に男性と同じ条件が与えられれば全体として遜色のない結果になるんでしょうか。あくまで私が見聞きした範囲、苦労した経験から述べていることなんで、もしそんなことがないよという意見がありましたらぜひお寄せください。もちろん単体で見ると素晴らしい人もいると思うけど、バルク(全体)で見たらどうなのかってことで。