Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀2 第3話

 こ、これはエグい。
 1のほうはほとんど政治的主張はなかったという気がしてるんだけど、これはそこから逃げてないな。あの眼鏡のにーちゃんの言い分は、消費税増税を決めたのは民主盗で自民盗はそれを実行したゞけアベは悪くないとか、移民法残業代0法案を強行したのは自民盗だけどそれを止められなかった野党のせいアベは悪くないというのと通じるものがある。群衆も剣で踊らされてむしろ味方を攻撃する愚民というのも、大きな力に抵抗をすることもせず付和雷同する日本人のメタファーだし、台湾同時配信だと思うんだが、日本の現状をこんなに活写して大丈夫なの?という気はする。
 凜雪鴉はそういうのを間近で確認したからこそ、ヒキで殤不患を助けに入るという展開になったのだけども、やはり今回も、傷に耐えて奮闘を期する殤不患よりも、ひらひらと動き回る凜雪鴉のほうが面白い。いろいろ意見を求められても、決して殤不患が悪いという言質をとられないような台詞が胸熱。しかし、これは視聴者を考えたメッセーヂであって、本当に相手の懐に居続けるために真意を極力悟られないようにするためには、むしろ積極的に殤不患を非難する台詞を吐かなきゃダメなんだよね。袂を分かって本格的に殤不患側に肩入れするという展開なのかもしれないが。
 あと、やはり既得権益層の愚昧さを示しているのにあのオッサンの描き方がある。自分は殤不患に助けられており実際にそれを目で確認してさえいるのに甘言に惑わされ、恩を仇で返す行動に出てる。これはまさに日本の「今まで保守層と言われていた層」にずっぽりと当てはまっている。職掌的には民を守る立場でありながら、実際に城に侵入されて守る力皆無なのに加えて、城下の民もやられるまゝになっていて能無しの典型。昔はそれでも守るという仕事をやっていたのかもしれないが、今やその影すらなく、城内と城下の町並みの調度品の差を見るに普通に考えて民から搾取している層とみるべきで、それがプライドだけ高くて無能であって、他人の調略に簡単に引っかゝるバカなんだから始末に負えない。バカはバカでも1のお姫様のような素直さも殊勝さもないわけなので、現実社会だと早く退場しろこの老害というしかないのだが、物語的にはおそらく反省でもして事態の収拾後にまた民衆を任されるようになるのだろうなと思うと苦笑いが湧いてきそうな予感がする。