刀使ノ巫女 第9話

 女物の浴衣にサイズもなにもないだろうに。
 男物は個人カスタマイズなんだけどな。というわけで、冒頭視聴者サーヴィスにゆっくりとした場面展開。
 ノロだとか荒魂とか、人間に制御しきれない力というところでは原子力を彷彿とさせるのだが、そういう概念レヴェルのものでそのものがメタファーというほどのものでもない感じ。視聴者に示されるところからすると、この作品のターゲット層は甲鉄のカバネリあたりと被るのかな。シナリオの整理の仕方を見ると、あまりディテールの突き詰めは重要視されているように思えないから、なんか雑なドラマのように思えてしまう。
 フリードマンの立ち位置からすると、別に米国人でなくてもよいのでは?とも思ったが、オール日本人で固めてしまうと、第三者的勢力を出しづらいというのがわかって現代日本の硬直性にあんぐりとさせられる。アニメスタッフのこれは正しい判断。'80年代や'90年代のソノラマあたりの青少年向けノヴェルだったら、まだ日本にもそういう可能性があってもよいよね?という夢があったんだけど、今だともう庶民にはリアリティがなくなってるあたりもうね。というか今になって思えばバブルの頃ですら日本が豊かになっていたというのは当時掛け値なく幻想であったというのを思い知らされる感じ。今だとなおさら余裕がなくなってしまっているのがわかる。