ばくおん!! 第7話

 還元率が100%だとして、300+x=300×1.1。
 ちょっとこれはあなどれない回だった。下世話なところから、神様が出てきて指差したときは、てっきり羽音が優勝するのかと思ってた。結果は違っていたわけだが、あと一つ、来夢センパイは優勝はしないが、まさか出オチ気味になるとも思ってなかった。レース会場が学校内というのも無理があると思っていたんだけど、緩衝材を敷き詰めてコースを作るというのは見てみれば妥当ではあるんだけど、自分は予想できなかったな。レース全般、もちろんフィクションだからリアリティについては期待してはいけないんだけど、こういう萌えアニメにありがちな荒唐無稽な展開の度合いがかなり低くて、自分が予想したのよりかなり真剣に考えているように思えた。
 一般人のバイクに対する認識が低いというのはよく言われていることで、スズキの認知度が低いことや、スズキは軽自動車での認知度が高いというのは定番のネタ。で、どちらかというと、今回示されたように、それぞれのバイクが型番で呼ばれることがあるのは稀であって、大抵メーカー名で区別されるというのも順当なネタ。いやまぁバイクレースで同じメーカーが違う車種を登場させるってことが普通はない(性能面から一番よいものを出すから二番手三番手の車種を出す機会がものすごく少ない)ので、そうならざるを得ないということはある。四輪のF1レースでも大抵メーカー名で区別されるのと一緒。バイクを外見で区別するのも難しいのだが、レースだと派手なグラフィックがなされているのでそれを手がゝりにしてその都度区別することになる。そのへん一般人にとってはわざわざ専門的な知識を要しないからレースを見るハードルが下がることになる。
 バイクレースは案外遅く見えるものという発言をさせて小ネタを披露するのも筋がよくって、まぁ理由としてはコーナーではどうしてもバイクは四輪よりスピードを遅くせざるを得ず、またバイクがスピードを出せる場面は直線なので、その直線部分が少ないコースであれば当然平均スピードは遅くなる。観客にとっては若干迫力に欠ける部分はあっても、一瞬で目の前を通り過ぎるということがなければ競争の様子を長く鑑賞できるということにもなる。そういうネタの選抜や提示がよく考えられていて渋い作りだと感じた。
 お色気方面に関しては、これが何のこだわりもない萌えアニメ(作品)だと、メイド服の下には普通の下着にして盛大にパンチラ祭りにするはずなんだが、律儀に安全を考えてスーツをわざわざ着用させているわけで、その意識の高さはちょっと評価したいところ。