霊剣山2 第5話

 やっぱいろいろ考えさせられる。
 なんつーか、何均の描き方が秀逸。くたびれたおっさんなのに彼の経験がやはり今を作り上げているってのがわかり、またこう筋の通し方というか、彼なりの義理の通し方とか心に沁みる。彼自身が七星門に対しておそらく抱いているであろう反感と、主人公のあり様を比較した上での彼なりの判断ってのが説得性を帯びており、かといってそれは決して世の中の大半の人のあり様ともまた違うとは思うのだが、主人公とは違った立ち位置での彼のヒーロー性がなんとも暖かい。いやまぁ今回助けて貰ってさらに主人公側との結びつきは強くなったとはいえ、展開上彼が裏切らないとも言えないわけでそのへんはある意味去就を期待してしまう。
 Aパートの主人公の演説は、これはちょっとアニメレヴェルではあまり見かけないと思うのだが、そのへんやるな!と言った感じ。前回までゞ、愚民は愚民なりに善導すれば無問題という流れになるのかと思ったのだが、彼の演説は愚民の欲をどう志に転嫁するかというところで面白かった。ちょっと思い出したのがヒトラーで、彼がぽっと出の頃は後の大衆を扇動する際の大げさなものとは違って割と静かに聴衆に語りかけるものだったらしい。ヒトラーのその時の演説の内容がどうだったのかはわからないが、今回の話は扇動も使い方によりけりって主張なのかどうかという視点なのかなという考えが頭をよぎった。