ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? 第6話

 いやまぁ告白の件は読めたけどな。
 普通恋人になってくださいじゃなくて付き合ってくださいってのがこういうときの定番で、そりゃそれを使わなかったのにはオチがあるからだろぐらいにしか。そりゃまぁ付き合ってくださいならいまさらなにをいってるんだという受け答えになるのでこういう展開にはならないわな。
 うーん、基本亜子は賢い(知識ではなく本能で)ので、正直物語が上向き具合に出来るんだけど、実際にはダウナー系だと他者の働きかけに応答しないから好転しないというか、したとしても牛の歩みになってしまう。ラノベなんだからテンポをよくしないといけないし、なかなか一般性は持たせられないな。
 が、なんというか、この作品の面白さにはやはり上述のような欠点があり、もう一つ述べるとすれば、大将の愛され具合なんだよね。この作品がそういう作りになっているからアレなんだけど、結構亜子はコミュニケーション巧者であって、彼女が言ってる我侭な台詞は、基本自分を守るがための他者への攻撃的要素が極小で、いわばイジられるためのきっかけになっていることが多い。あまりこういう性格に理屈付けをするのは(そもそもそういう設定だから)意味が無いんだけど、それでも敢えていうと、前に登場した母親というか家庭の環境があまり棘棘しい会話(そういう環境ではそういう方法を学習してしまう)でなく、また、ネトゲでのチャットで磨かれたという可能性も考えられる。こういうのは別に不登校だとかそういうのだけでなく、職場でも上司に可愛がられる者の出世が早いとかそういうのにも繋がるし、一般人ですら難しい問題。上に取り入るのだけ優れていて、仕事はさっぱりって人で溢れてる社会が良いのか?ということにもなるし、客観的に考えると、社会人として必要な構成条件というのは、結構緩くもあり厳しくもありという矛盾したものになる。
 ヘンな話だが、むしろ亜子は視聴者にコレといって示されているいわゆる「ダメ人間」というのではなく、むしろ理想的な人間として描かれているといっても決して誇張ではない。やはり物語として成立させるためにいろいろな条件を都合よく切り貼りしていることは否めなくて、そのへんの見せ方は上手いという感じはする。これをテストケースと看做して参考にするのは結構厳しくて、好転するために亜子が持たされている条件の一つをクリアすること自体がかなり困難な場合もあって難しい。この作品の場合はかなり好転するための周囲や本人の条件が揃っていて、あとは周囲の背中押しでなんとかなりますよって状態になっていると見たほうが良い。それにしたって、まぁ一つ一つは結構参考になることもあって決して馬鹿にできるもんじゃないんだけどね。亜子は冷静に考えたらイジられやすい天然ちゃんとしてクラスにちゃんと居場所が確保できるだけのポテンシャルは持ってるってことになってるから。が、一昔前はそういう立ち位置が自然に確保できていても不思議ではないのに、それが難しくなっているというのが彼女が言っていたスクールカーストの普及であり、またその中でのサヴァイヴァルとして豚が苦労しているという描写だったりもする。