ガッチャマンクラウズ 第7話

 はじめが朝を称揚するのはまさに名前が象徴する通りなんだろうか。
 爾埜美家がベルク・カッツェに戦いを挑んで返り討ちにあい、ガッチャマンたちもそれに巻き込まれて瀕死の目に遭うの巻。で、やはりはじめは敵との対話で戦いはせず。
 冒頭で爾埜美家がハンドレッズという下部組織の確認をして不満を述べたゞけのメムバーを強制退会させたる姿はまぁどう考えても独裁者のそれであって、ほんでもって橘が爾埜美家を褒め称えるのはまぁそのへん世間知らずなのを提示してるだけなんかなとは思った。おそらくベルク・カッツェが爾埜美家に与えたクラウズというものゝ実態は「人間の欲望」であって、これはかなり腑に落ちる。カッツェが滅びるときが美しいというのも、欲望が肥大化すればするほど激しくなるわけで、そりゃはじける瞬間こそ見ものではある。そしておそらくカッツェは人類の敵なのではなく、人類そのものゝ象徴なんじゃないかなという気がした。
 ほんでもってこの作品のおもしろいところは、その人間の欲望の描写で終わるのではなくその先を描こうとしていること。はじめを通じて視聴者に問いかけているのではあるが、彼女を交渉人として描いて他のキャラが欲望に絡めとられているのとは対照的にそれを超越した存在として視聴者をドラマから引き剥がす役割を持たせているのがこれまたうまいというか。