閃乱カグラ 第12話

 もとより和民など、私の野望の足がかりに過ぎん!。
 半蔵学院と蛇女が共闘して道元を追い詰めたというEnd。最后には蛇女も行方不明となって物語から退場したおかげで物語的には継続不能という形に。まぁ超秘伝忍法書がそれぞれ飛鳥と焔に吸い込まれたところをみると、彼女たちがその継承者として認められ、おそらくスーパー忍者になったということだろうから、焔が生きていないということはないだろう。っつーか、飛鳥があれだけなかなか潜在能力を開花させることができなくて苦闘していたが、やはり飛び抜けた才能があると、超秘伝忍法の継承者としての説明があったのに、焔に関しては全くといっていゝほど無かったな。しかし、結構キレイにまとまったおかげで、この次どうなるんだろ?みたいなのがあんまり感じられなくって、ゲームの販促としてはどーなの?と思わざるを得ないが、逆に自分的には序盤から中盤にかけていまいち視聴意欲が盛り上がらなかったのが、終盤で結構目が覚めるような展開になったので、満足度は高かった。
 しかし、感心するのが終盤で明らかになった格差社会の構造の後追い。現場に競争意識を高めさせて、成果は横取りする特権階級のあり方、そのために末端はいがみ合わせ、中堅どころにも意図を明らかにせず混乱させておくという経営層のあり方はまさに現代の構造を写し取っているとしか。しかも道元が生徒にかけていたという軛の術は自民盗が成立を目論んでいる秘密保全法案と構造が全く同じでワロタ。本当に道元が死んだのかどうかは不明(本当に死んでしまったら、悪が倒されたことになってしまい、物語が本当に終わ(続かなくな)ってしまう)だが、大人の側の不始末は大人でつけるべきという提示にもなっており、かなり要素が詰め込んであるようにみえる。なんかもったいないのはその構造を小出しにしてきたところであり、もちろん終盤で悪の正体を明らかにしてクライマックスを作るという手法は間違ってはいないんだが、やはり飛鳥たちが何に対して戦っている(戦うべき)かやはり最初はわからないので、難しいところではある。かといって最初から敵の正体がわかっていて、社会構造も明らかになってしまったら、それはそれで説教調になってしまうしな〜。善とは何か?、悪とは何か?という問いかけ自体は最初からなされていたんで、そういうものゝ総括は最後にはやるんだろうなぐらいにはぼんやりと思っていたので、自分はある程度納得する部分もあったんだけど、そういう部分をやらないかもという危惧もあったし、なんとも微妙な感じである。
 うーん、なかなか惜しい感じの作品だったなぁ。見終わった今となっては結構もやもやとしたものが晴れ渡った印象があるから、ストーリーとしては成功の部類なんだけど、なんか展開やかけあいがドン臭い感じがあって、これではこのスタイルがヒットする層ってのはきわめて限られるんじゃないかなとは思った。エロ描写もむしろ下心を刺激しないのが目的であるかのようにも見えてしまうんだが、隠微さが足りなくてなんかもったいないというか。チラリズムとまでは言わないんだけど、デザイン的にはもっと魅力的に描くことが出来たような気がするんだが、それは個人的趣味の部分が大きいので、述べるだけにする。
 というわけで、構造的には要所要所を押さえていて全体としての構成はよく出来ていたと思う。上記、物語としては終わってしまっているとは書いたが、続きはいくらでも作れそうな感じだし、割とその後のキャラクター達のストーリー*1を目にしてみたいとも思ってしまう。自分も一昔前なら絶賛していたんだろうけど、最近はちょっと自分の精神状態が良くないということもあるだろうし、目が肥えてしまったのか、ちょっと辛めにおもろということで。

*1:キャラ立ちは良かったように思う。たゞ、それをいうならもっとキャラに迫った物語が要るのだが、尺が足りなかったというべきか。5人じゃなく3人のセットだとちょうどよかっただろうけど、チームとしては5人のほうが3人よりよいし、そうなると2クール必要か?とも思うんだけど、2クールだと長すぎるような気もする。