モーレツ宇宙海賊 第18話

 グリューエルが何気に使えるという。
 ん〜、なんだろ?。伯父との対決がちょっと肩透かし。とはいっても、蓋が開いてみれば、これは社会批判がメインだったということなので文句をつけるのは筋違いではあるんだが。私企業が護衛のために武器の保有を認められているってとこから、日本のお話じゃなくておそらく合衆国(合衆国はこういう話がごろごろしているので別に珍しいことでもなんでもない。)のことだろうが、ヒュー&ドリトル社あたりの背景はあまり合衆国にポイントをあわせている話ではないし、まぁどの国の政財界にもある一般的なお話にちょっと現実っぽい色を塗ってみましたってところか。
 っつーわけで、女子高生コスプレの海賊ショーだとか、百合の逃避行とか、なんか古臭い趣味*1に走っていて今一この作品のテーマである自決だとか現実を乗り越えていくってとこから離れちゃってるなと思ったら、こういうことでしたか。まぁ我々の世界が建前や理想とは別にどういう原理で動いているのかってのをお子ちゃま向けに解説するってのはこのタイミングでは大いに結構なんだが、話の進め方が雑だったのが惜しいところ。まぁそのへんの反省はちゃんと無茶振りをするんだったら前もってという茉莉香の台詞に現れている。まぁお花畑が理想を振りかざすその裏では建前を吹っ飛ばして泥をかぶりながら仕事をしている人間がいるって線の上には乗っかっているわけで、裏の仕事で権力を振りかざして美味い汁を吸うのはNGなんだよなんて主張は入っていたからね。
 今回前向きに捉える部分があるとすれば新入部員の成長のところ。役柄が与えられて仕事の中で自分で判断して成長していく部分は理想的な職場環境なんだよね。教えてくれないからやる気が出ないっていうゆとり世代も初めっから実戦力になっていることを期待して組織内の成長環境を全く整えないポスト団塊経営層もまったくお話にならないわけで、やはりこれも理想的な組織とは…という提示になっている。

*1:いや、おそらく作者はセンスが無いのをわかってこういう描写にしているんだと思われる。別に作者に力量がないとかそんなんではなくて、執筆段階でのセンスを追及すると風化してしまうので、長く読まれ続けるというのを前提にしてこういう風にしているはず。なんのかんの言ってヅカが残っているのはすごいのだ。泡沫に終わるのではなく、日本の文化史に残るだけの歴史を残すことができた。