咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A 第1話

 いや、ボーリングのピンは筒子じゃないから。
 随分間があいた第2期なんだが、えらいパワフルでびゝった。というかスピンアウトものと見せかけて外伝なんだな。なんか銀英伝の「わが征くは星の大海」を思い出しちゃったよ。
 自分がこの作品に寄せている期待はやっぱ組織論なんだが、そういうのをみせてくれそうな予感がプンプンでうれしい限り。それも王道的な組織が決め打ちであるんじゃなくて、あくまで構成員を生かすためにどういう組織であるべきか?という例があれもこれもと目白押しで出てくるのが醍醐味なんだよな。そして今回は勝つか負けるかじゃなくて、いかに楽しい場を共有するか?というものがテーマとして掲げられているらしく、弱肉強食の競争社会じゃなくて、共存前提の競争社会がベースにありそうだ。
 いやね、もうこの第1話から涙ドバドバですよ。寄らば大樹じゃなくてあくまで自分の立っている場所を基礎にしてるってのがね。前期も弱小チームからの巻きなおしってスタンスだったけど、新規立ち上げの活気というのか迸るパトスというのか、テンションが段階的にあがってくるのがわかる。
 今回感心したのが穏乃が麻雀部立ち上げの決心をするまでの流れに、それまでの楽しかった日々が具体的に描写されてその蓄積の末のカタルシスってのではなかったこと。ダイジェストゝ言ってしまえばそうなんだけど、一番大切な麻雀描写ですら楽しさを共有したというような描写ではなかったのに、結果的にあれだけの盛りあがりをみせてくれるってのはなかなか。もちろん主役の元気よさにも起因するんだけど、このスピード感とフック感の調和にはやられたといったところだ。
 本作の魅力の1つに声優の豪華さもあるが、これまた主役級には演技派をそろえてきたなぁ。@悠木碧がちょっと声に意識させるような発声で、自然にキャラに溶け込んでいるような@小清水亜美とか@進藤尚美はさすがヴェテランっていったところか。でもまぁ主役はあのくらい声を前に出さなきゃ元気よさは出てこないんだとは思う。
 まぁなんにせよ、ずっと続くのかわからないにしても、いきなり自分的注目作トップに躍り出た!ぐらいの勢いはあるなぁ。