刀語 第12話

 マニワニを超える噛ませ犬が最終回に11人も!。
 いや、恐ろしいことではあるんだが、どうも容赦姫は否定姫に絶好のタイミングで自分を殺してくれと頼んだ…と考えるのが一番腑に落ちるのがね。彼女が自分自身、もしくは自分の気持ちですら駒だと言っていたこと、その他否定姫の言動からするとそう考えるしか無いとしか思えなくなってしまっている。歴史の改竄云々とかという話も、否定姫自体に動機はなさそうだし、結果からすると家鳴将軍が死んで容赦姫の目的が達成されているワケだから、痛快ではないにせよ悲劇的な復讐劇としてちゃんと終わっている。
 で、最後のナレーションを聞いて振り返ってみると、変体刀の持ち主は真面目なのが揃っていたワナ。それが刀の力でヘンにゆがめられてしまっていた*1わけで、彼らのあり方、そして幕府などの官僚組織のあり方を見るにつけ、かなり現代、それも最近に繋がるまでの日本の問題も取り扱っていたんだなと最終回になって気付いた次第。てっきり過去を舞台としたちょっとしたエンタメ物語かと思っていたんだけどな。いやはや自分らしくもない。詳細は略するが。
 というわけで、なんとも面白かった。説明台詞の多い本作だったが、むしろ画面にかぶりつかなくても会話さえ聞き取ればよいわけで、却って絵は邪魔だったのかもしれない。アクションシーンはスピード感が表現されていたから、別に手抜きをしていたとも思われないし、こゝぞというシーンにはちゃんと枚数使って表情もつけていたと思う。そして自分の一番のポイントはBGMかな。で、かなり名作に近いおもろ+ということで。いやはやこれはかなり当たりの作品かと。連続視聴はちょっと辛かったけど。

*1:いや、刀のおかげで救われてもいたのだが