よいこの君主論 (ちくま文庫) 読了。

 序文のネタに笑わせてもらったあと、本文を読み始めると今一退屈に感じた。しかし、登場人物に慣れてくるとさくさく読めた。結論をいうと楽しかったのだが、他人に勧められるかどうかは微妙。いちおう昔マキアヴェッリのは読んでいたのだが、とっくに内容は忘れてた。というか、当時のイタリアの小競り合いを例に示されても今一イメージが湧かなかったというのも頭に残らない理由か。
 多分マキアヴェッリのほうにもある題材なんだろうが、結構現代にも通じる部分があって、それがまた日本の現状と重なったりして面白い。

ふくろう先生「そして、君主の行動でより悪いのは、自分が貧乏になったので平民どもから税金をたっぷり巻き上げて持ち直そうとする場合だ。こうなると、ほんの一握りの配下に褒美を授けるために、多くの平民どもから恨みを買うことになってしまうね。」

 いやいや、このダメ君主って自民党のことだろ。マキアヴェッリは別に平民を虐げるために「君主論」を書いたわけではないんだが、君主が冷酷だとしても、利権誘導は否定されているってのが面白い。