キャッツ・アイ 2ND SEASON 最終話 愛のカーテンコール

 なるほど、よく出来た最終回だわ。
 結局「オレ達の戦いはまだまだこれからだEND」でした。でも劇中劇でありうべき?結末とやらを描いてみせて、でもやっぱりそれは劇の中のことであって、キャッツの仕事はまだまだ続くってことでした。ハインツのハの字も見えなかったし、俊夫と瞳の結婚も無かったわけですが、まぁこんなところかと。
 というわけで、第二期となってちょっと緊迫感も欠けてはいたものゝ、ぼんやり見るにはそれほど悪くないと思った次第。でもこれはよくよく考えてみれば宮台真司が言っていた「終わりなき日常を生きる」ってやつの先取りなのかもと思ってみたり。まぁ宮台の言っていたそれは退屈な日常がダラダラ続くってこととどう向き合っていくかって文脈だったように思うんですけどね。今、そうやって振り返ってみると、この物語だって箱庭の中でドタバタしているだけって感じはしますけど。
 でも地球上に人間が溢れかえって人間の生活圏にどうやら限界があるようだというのがわかるようになると、どっちみち箱庭の中でどう日常を楽しんでいくか…って方向にならざるを得ないとは思うんですよね。そうなったときに、早くから人口が飽和して調節が行われていた日本の江戸期の生活が世界規模で見直されるのかも。
 今となってはドン臭いと思うようなことでも、今の派手な事柄がどれだけ先進的なことか?と言われると、正直見栄えは少々良くなってはいても、本質は実は退化しているんじゃねぇか?と思われることもあり、なかなかに考えさせられるものはある。俊夫と瞳の男女の仲を見てみても、現在は見てくれは良くとも結局のところ「貪れよ」ってことになってしまっていて、お互いの距離感ってのは昔のほうがバランスが取れていたような気がする。まぁなんとも判断はつきにくいですがね。
 というわけで、自分的には'80年代を懐かしむのを半分期待しながらも、昔ののんびりとした人間性ってのを再確認したってところが大きい作品でした。やっぱ年なんかね…。GyaOさんには第一期で打ち切らず、第二期も提供してくださったことには感謝。