アタックNo.1 第41話 燃えあがるスカウト合戦

 一の瀬はてっきり金持ちのお坊ちゃんだと思っていたのに…。
 しかも次回予告によると、経営不振でもあるらしい。12月以来、ほとんど学校にも行けないという事情がこれまた泣ける。時代背景からいうと、郊外型大規模店舗の攻勢はまだまだ後なので、商店街不況とは無関係のはずなんだけどな。それでも自分の拙い記憶だと、4〜5歳の頃には商店街に行った記憶が無い。ショッピングモールというのか、卵屋だの豆腐屋、八百屋や雑貨屋などが同一建物に同居しているタイプのところに母親と一緒に買い物に行った記憶がある。まぁダイエーだのニチイだのといったスーパーが進出していった頃ではあるので、その辺の事情なんだろうか。今になってみれば個人商店の八百屋での野菜の値段のほうが安かったりして、いったいスーパーの一時の隆盛、ダイエーといった安売りスーパーの没落、そしてイオングループの席巻といった最近の流れもこれまた商人の都合に振り回されているような気がしないでもない。確かにスーパーのほうが利便性がよく、自分も中食である弁当を購入するためにそっちのほうを利用しているのだが、よくよく考えてみれば商店街もスーパーも同一建物内にあって会計がやりやすいか、駐車場があるかぐらいの違いしかなく、あとは目的のものを購入するのに歩く距離がちょっと違うぐらい。スーパーは客寄せパンダの特売で惹きつけていたと思うんだが、そうそう同じ物を購入して値段が違うというほどのものでもない。近所の商店街はそういやアーケードがなく、開いている店舗が多くて各地に増加しているシャッター街にはなっていないようなんだが、どうしてかな?。まぁそれはともかく、スーパーの進出がアニメでは描かれていない以上、何が原因で一の瀬の八百屋が経営不振なのかはわかんない。
 しかし勉強と部活の両立だの、部活引退後の学校生活のすごし方だの、気を揉む母親はともかく、理想的な父親の対応だの、いちいち納得させられることばかり。こずえたちはバレーが勉強より好きなわけで、勉強をほっぽらかしてバレーにうつつを抜かしていたいばかりに、なんのかんの理屈をつけてバレーばかりやってもよさそうなもんだが、そこはちゃんと抑制的に描いていた。そりゃ今となってはスポーツ特待生とかあって、勉強をやるよりスポーツでさらに突き抜けるほうが良かったりする場面も多くなっているのだが、この時代はそうでもなかったんだよな。文部省がゆとり教育なんて言って学習を小バカにする態度を示している現在、なかなかこの描写が現代の若者に共感を受けるとはとても思えないわけだが、自分が中高生だった頃を思い出すと、こういうあり方は確かに今となってはキレイ事過ぎるが、ターゲット層にとってはちゃんと目指したい目標を示せていると思う。バレーをやりたい気持ちを無理に我慢させることなく、両立させるためにはこれだけの努力をしなけりゃいけませんよ…というのがインセンティブ的にうまく処理されているような気がした。
 いまどきのアニメだったら、もっと恋愛側面を煽って人気取りに走るもんなんだが、この作品はきちんと排除されてきた。だからこそ真面目ではあっても努力する人間たちのドラマ部分に集中させることができていたわけなんだが。で、みどりに囃されるこずえの描写でその戒めが解けたか?と言ったところだが、残念なことにこの先の展開をどっかで目にしてしまってなるほどであった。実はこれは重大なフラグ立てらしい。