ブレイブウィッチーズ 第1話

 電波塔ねぇ。
 ちょっと視聴対象作品に迷ってこれにした。前作がそれなりに話題になった割にそういやこの作品はそれほどブレイクしなかったなぁといったという印象。
 この第1話を見る限り、あんまり前作の後継って感じはしなくて、そういや前作の終盤は敵との和解を匂わせていたような気がするが、そのへん意識していないようなので個人的にはうーんといったところ。とはいえ、結局のところこういう企画はストーリーだとかメッセージ性とかはとってつけたと見るべきで、あくまで主題はフミカネ絵の飛行少女を愛でるのが本意だろうからあんまり無粋なことをいっても仕方がないのだろう。かなり間が空いたこともあって前作の筋立てなんて忘れてしまっているだろうし、そのへんを気にしてこの作品を見るって人は少なそうだしな。
 こういろいろぼんやり思い出してみると前作はそれなりに理想的な組織像なんてのも考えられていたような気がするが、そのへん作品として主張してみても現実が改善されるって性質のものでもないし、それに期待をするのも無粋なのかもしれんわな。まぁ自分の視聴態度としては、特にストーリーに期待するわけでもなく、前作のヒット要因や、第2期に要求されるものだとか、あんまり作品自体にツッコむというよりは、周辺その他でぼんやり思いついたことをネタにいろいろ言及してみたい。はっきりいってストーリーに期待してはいけない作品のような予感がする。


 絵なのだが、女の子がある程度の大きさで描かれるシーンにモデリングCGはちょっと不適切なんじゃないかとは思った。あと全体の色使いが明度彩度がそれなりにあるような感じがするのに、暗いような雰囲気がするのはちょっと面白いと思った。雰囲気が着色写真にちょっと似てるんだよね。しかしまぁ、自分もあっと思わされるのに、あの時代だと大抵白黒写真が記録として残るので、きっと昔はそれほど色彩豊かな風景ではなかったんだなと錯覚するんだが、そんなことは全然ないんだよな。カラー写真であっても経年劣化したものを目にしてしまったら、あたかも昔はそういう色の世界だと思い込んでしまう。では今の色の表現が昔と一緒かと言われると、そこはやはり化学染料や化学顔料の発達、蛍光塗料の利用など、それなりに見栄えがするような改良はされているから昔の色彩と一緒のはずはない。が、昔がどうだったのかは、その時代をすごしたことのある人の記憶にしか残っておらず、その記憶も変化するし、現代まで残っている文物に使われている色素は経年変化しているから、残念なことに正確に再現する手段がない。それでも、日本や海外のドキュメンタリー作品には、白黒フィルムにデジタル処理を施して違和感の少ない擬似カラー映像にしちゃってるんだから、技術の進歩も著しい。違和感がないからそのデジタル着色が正しいのかと言われると、上述のとおりそれが正確であるということを担保する手段は存在しないのだから、その旨を念頭に置いてあくまで可能性の一つとしてそのカラー映像を見るしかない。
 そういうことを考えると、この作品の色彩設定は割と正確さを求めるというのではなく、ちょっと劣化したカラー映像という雰囲気を狙っているんだろうなと思わされた。このへんのバイアスのかけ方はちょっと当人のコメントを見てみたい気がする。
 あと何気に背景も土臭さが表現されているような気がしてこれも面白かった。大抵のアニメ作品は昔の描写をしていても、現代の建築土木で必要とされる「きちんとした整地の上にいろんなものが配置されている」という表現*1が多い。が、この作品だと道路なんかもきちんと整地せずにとりあえず少ない労力で道路などを切り開きました…って感じがして趣深い。おそらく背景担当は昔の写真を多数参考にしたと思われるのだが、そういう土台である整地の有無*2でこんなにも風景から受ける印象は変わるんだなというのが新しい発見というか。

*1:風景画を描くときはパースをしっかりとって辺や面を配置するために、どうしても整然とした絵になってしまう。

*2:自然に風景を描くと整地前提の絵になってしまうから、むしろわざわざ手間をかけてずらして描かないとこういう絵にならないと思う。