なんか景気はいまだ回復基調で、ベースアップに大期待の報道がなされているが。

 そもそも輸出企業ぐらいしかベースアップしているときかないし、輸出企業がなぜ利益を上げたかというと、それは消費者が輸入製品を高く買わされることによって実現した*1わけで、給料が上がったのは今や労働者の四分の一の製造業のそのうち輸出に関わる企業でしかも大企業のみだから、一体日本全体で考えるとゞのくらいの割合がベースアップしたのやら。しかも増えた層は実質物価高で購買力は変わらないから、給料が上がらない層はまるまる損をしているという状況は続いている。給料が増えた層は基本裕福層だろうし、そいつらが消費で落とすカネは基本奢侈品に偏るわけで、それが本当に全体の景気を押し上げるものになるのかは…まぁどうかねぇといったところ。消費性向からし焼け石に水であり、給料が上がらずにヒィヒィ言っている層の影響のほうが大きいと思うがねぇ。
 報道の威勢の良さで景気がよくなりゃありがたいもんだが、そうならなかったら糠喜びをさせているうだけで、罪はより深いというか。そりゃまぁ先行き暗いという報道で、さらに市場が冷え込んじゃぁ困るだろうから、なかなか本当のことは言えないだろうけど、希望的観測に踊らされて要らぬ出費をさせられないよう個人で防衛しなくちゃならないだろうね。

*1:輸出企業はべつに販売量が増えてなくてもたとえば今まで100円で売れていたものが為替変動で120円で売れるようになったから20円儲けただけのお話。逆に消費者は今まで100円で買えていた輸入品を120円で買わされるようになった、つまり20円損している。それを大局的に見ると、消費者が20円損した分を輸出企業が横取りしたというだけの話、政府や日銀の誘導で。