さんかれあ 第3話

 まさか本当に死を経過させるとは。
 とはいえ、重傷を負いはしたが死んでなかったと解釈することも可能だ。礼弥父が娘を突き落としたわけで、彼自身が死に追いやった行動をとったというのが負い目になり、礼弥は本当の生死によらず父親から解放されるという構図になる。
 しかしばーぶが二人の仲を取り持つ役割を果たしていて面白かった。これもばーぶの生死に関わらず(この場合死んでいたのが確実で、まるで生きているかのごとく振舞ったという逆の構造になっている)、ばーぶを生き返らせようと必死になってくれた千紘への恩返しになっている。しかもゾンビの彼女が欲しいという彼の願いまで律儀に叶えちゃっているわけだ。しかも礼弥は千紘の想い人であるだけでなく、千紘と一緒にばーぶの再生の手伝いまでしてくれているわけだから、ばーぶにとって「こっち側の人間」なわけだ。しかも礼弥が解放されるには死を経由しなければならないと確信していたのがばーぶしかいないという構図になっていて、そういうのが今話にぎゅっと凝縮されている。もちろんばーぶがそこまで仕組んでそうなるように振舞ったという形ではなく、偶然と不可抗力の産物という形をとっているために、というよりはこういう形をとるしかないのではあるが、わざとらしさが極力排除されている。アニメスタッフの演出も功を奏しているのだろうが、こういう流れはなかなか作れないような気がしないでもないがどうか?。
 わんこが色気を振りまいているのに千紘に相手にされないとか、まぁこればかりはフォーマット通りではあるんだが、「要らないならオレにくれ」的な嬉しさがあるな。あと次号予告はドンくさいが自分的には割とツボだ。