日本企業がバタバタ倒れているねぇ。

 ちょっと前に気がついたことがあったのだが、ハイアールが三洋の白物事業を黒字化したとかという記事を見てちょっとだけ。
ハイアールが旧三洋の事業を黒字化へ「日本メーカーは客の声を聞かないからダメなんだよw : SIerブログ 魚拓
 客の声を聞かないからとか煽り文句がふってあるが、コレはさすがに日本企業の経営陣が無能有害であることを示すためのキャッチコピー。記事中のレスにもあるが、顧客の要望を聞いたら逆に全く売れなくなってしまうということもというのがミソ。
 よくアップル製品が顧客の要望を聞いた製品を出すが、日本企業はそうでないという言説が見られる。まぁ日本企業の出す製品が消費者を向いているというよりは管理職のほうを向いているから売り上げが伸びないってのは間違いではない。が、アップルは昔から顧客の意向なんて無視してた。マッキントッシュなんて、ソフトの互換性なんてまったく無視してたし、ディスプレイの解像度なんてDos/V機より貧弱だったし、OSもよくフリーズした。それでもデザインに特化し、「こんな製品でもついてくるんなら買えよ」という大名商売をしてた。もちろん価格は高いし、基本マッキントッシュを買う人間はカネ持ちが多かったような印象が強い。
 結局エポックメイキングな商品を作るのは、顧客の顔色を窺っておそるおそる売り出すものなんかじゃなく、むしろついてくるやつだけついてこいというものが多い。それこそエジソンぐらいの時代なんかはそんなものばっかだったろ。
 で、顧客の顔色を窺ってきた分野はすべて下り坂だ。日本製品が顧客の要望を聞いてあれもこれもと機能をつけたしたものが今も売れているだろうか?。クレーマーの意見は製品を洗練するための貴重な意見だとかいゝながら、「顧客の意見を取り入れてこんなによくなりました」系のキャッチコピーをまるで見ない。モンスターペイシェンツの意見を聞いて、医療がよくなったか?。モンスターペアレンツの意見を聞いて、教育がよくなったか?。患者の我儘で医者が逃げ出すところが多いわけだろ。そうでもなければ無医村がわんさかできるはずもない。生徒や保護者の意見を取り入れて学校がよくなりましたなんて記事は全く見ない。むしろそういう我儘な意見に振り回されて学校がボロボロになり、挙句の果てにまともな生徒が寄り付かなくなるわけだろ。福祉の分野だって介護対象者がまともなら、今頃人気の職業になっているわけで、なんでそんなに顧客満足度を過度に重視すべきなのかわからない情況になっている。
 顧客を無視して突っ走るというのもなんだが、消費者なんて基本選択だけしかしない。受身の態勢なのだ。もちろん使う側からの積極的な提案ならば、それは作り手にもプラスになるんだが、クレームはねぇ。要するに「自分を贔屓しろ」って薄汚ねぇ乞食根性のクセに、やたら高圧的なんだろ。そういうのは放置が一番なんだがね。でも由来を辿ると、そういうのは権力者の理不尽につきあたる。それが自民盗政治の果てに日本全体に蔓延してしまったような気がするな。客は神というのを三波春夫が見直せとか言ってたが、この風潮はまだまだ続きそうだワナ。