化物語 第15話

 こゝであの実写は狡いだろ。意地が悪すぎる。
 だって阿良々木の台詞の意味合いが全然違ってきちゃう。そりゃこういう仕掛けで、あと腐れなく踏ん切りがつくってのはあるけどさ、だって、夢見たいジャン。
 というわけで、さすがに読みどおりだったわけだが、あんまり嬉しくない。猫が引っ込んで〆るのではなく、翼との破局を予想してたんだけどな。いや、今回引っ込んでも、翼に過度のストレスが溜まればまた出てくるんだろうケド。
 いやぁ、なんというか、自分もアホというか、というか、そう言っても仕方が無いんだけど、実はこの作品の薄い本を数冊読んでいて、その中の描写で阿良々木の影からぬっと姿を現す忍を見てたんで、電燈云々のあたりで気がついてしまった。吸血鬼は夜行性で闇の住人だから、影に潜むってのは理屈ではわかるんだけど、薄い本での前知識が無かったら気付いておらず、おそらく忍の登場のくだりでビックリしてたと思う。つくづく残念な限りだ。
 っつーわけで、終わってみれば阿良々木が見境無く助けた女の子から、いろいろ助け返されるという連環が出来てしまっていたが、そういや忍は阿良々木を手助けする場面が無かったな、冒頭で吸血鬼大戦があって、阿良々木が忍を助けたと言ってた割に…とあとから気がつく始末。さすがに真宵・駿河・撫子は背景に引っ込んでいたが、阿良々木が誰でも優しいのではなく、特別な誰かを選択するというテーマも戦場ヶ原に収束していく様子とか、風呂敷の畳み具合が見事。普通の萌えアニメだとハーレムエンドの形にして特定の誰かをプッシュしなかったりするが、そういうのも綺麗に除けていた(花右京メイド隊も似たような感じだったが)ように思う。昨日ちはやふるで泣いてしまったせいか、どうしても比較してしまうが、あれほどの突き抜け感は最終回にしては無かったなと。いやでも今までも泣かされた場面はいくつかあった。続編が偽物語なのかな?、なんかそっちのほうは今一人気が無いようなんだけど、これの出来がいゝのでなんか見てみようかという気にもなってしまう。というか、この作品のDVD売り上げが校長だったというのも頷ける。まぁフツーに良い最終回なんでないですか。