LUPIN the Third 〜峰不二子という女〜 第2話

 OPの声アテは増山江威子じゃなくて、橋本一子という音楽家らしい。
 良く出来た三文芝居だった。というか、ルパンって三文芝居以外の何者でもないんだよな。高尚なテーマがあったとしても必ず泥にまみれさせるわけで、それが真骨頂ともいえる。
 次元大介小林清志もさすがに声に若さがなくなっているね。なんつーか、自分が子供の頃に見たルパンだと、もうちょっとヘンにカッコつけた感じで、声を飛ばすって雰囲気だったように思うんだけど、じゃぁ今、この作品でその勢いが無いからといってダメか?と言われると、いやむしろこのほうがいゝだろって思う。逆に若さを意識してたら何無理してんだろ?ぐらいには思ったはず。ご本人も80ぐらいでというか、ルパン40周年らしいので、一緒に「ルパン」と時間を共にしたって感じなんだよね。自分は4〜5年前ぐらいにTVスペシャルを見たっきりになっていたんだけど、去年からレギュラーはこの人だけになっているらしくて、なんとも感無量だ。もう芸も衰えているのにこの人じゃないと…って無理矢理な感じが無くって、ちゃんと台詞を聴かせるものがあるその上に、この年齢だからこそできる演技というのと若さというのとが置き換わっている感じ。前回は感じなかった、小中学生の頃見たルパンの雰囲気がふわっと今回感じられたんだが、まぁ彼の演技だけじゃなくて、スタッフの作り方もあるんだと思う。いや、なんつーか、TVスペシャルだと強引にストーリーが進んじゃうというか、一年ぶりなんだから各キャラに必要以上の見得を切らせるところがあって、「コレジャナイ」感が大きかったんだけど、これはそんなことがないな。まぁ良く出来ていると思いますよ。
 最后を看取ることの意味が不二子じゃなくて、視聴者に早い段階からわかるようになっていて、なんともわかりやすい。自分なんかはチッチョリーナは自身を撃つのかと思っていたけど、そうじゃなかったし、次元が凄腕だから、多勢に無勢でも生き残るってのも読みどおりなんだろうなと思いながら、あまり不条理さを描くことなく視聴者に受け入れやすい話運びになっていたのもなるほどなと思ってしまった。いや、こういうふうに小奇麗にまとめちゃうのもチト行儀が良過ぎやしないかとも心配になってしまうんだが。