花咲くいろは 第25話

 要するに、今、喜翠荘はブラック企業そのものになっちまってるワケだ。
 自分トコの能力を超えた仕事を受注し、社員に無理をさせてドツボに嵌る。もう縁は典型的な無能管理職でしかないんだが、オモロイな。コレ、確かに見方によれば社中一丸となって困難に取り組む集団のようにも見えるし、ブラック企業として見えちゃったりする。もちろんいざこざもあって、必ずしも前向きになっているってところを崩さないまでも手離しで褒めているわけでもないし、ブラック企業と言う見方をする視聴者に対してもえげつない描写ばかりしているわけではない。が、スタッフの結論は明らかで、それは一番経営判断からかけ離れていると思われるなこちの態度に表れている。「私が私でいられる」ために職場があるわけでもないんだが、かといってなこちが客を無視しているわけではないし、なにより階段で体調を整えていたスイの言葉にもなこちと同様の意は述べられていたように思う。親娘三代で仲居として並ぶ図は、それはたぶんスイが夢見ていたことであろう。今喜翠荘はパンク寸前の状態ではあるが、スタッフの誰もが喜翠荘をかけがえのない場所として精一杯働き、客があふれている図を見て、スイも内心なにか報われた感で一杯なのでは?。
 いやぁ脚本が岡田麿里で納得したよ。でも縁を徹底的に無能に描くのは容赦ないなぁと。結名が海外のホテル事情に興味を持っていたり、相変わらずの適格な人物観だとかデキ過ぎと感じなくもないが、まぁ無駄のない完成度といったところで文句をつけるようなところでもないが。誰の思いも悪くないのに仕事はまわらないとか、誰もが考えが足りないのにお互いが支えあって仕事がまわっていくとか、まぁそこらへんの融け込み具合がさすが岡田脚本というしか。