花咲くいろは 第13話

 一騒動なのかと思ったら。
 やられた。緒花母はもっとちゃらんぽらんだと思っていたのだが、なんつーか、さすがおかみさんの娘といった感じだった。緒花母の言ってることは口がうまいだけで実はあまり筋が通っているとも思わなかったのだが、かといって筋違いのことを言ってるわけでもなく、時間の流れを感じさせる作りではあった。まぁとにかく周囲を振り回すように見える発言も、切り替えがうまいだけで意図的に翻弄していると思わせる節が見られた。
 たぶん歳が近いせいか、緒花母の立場に立って視聴することが多かったのだが、多分彼女は少女時代の母親への反発もあったのだろうが、仕事に対する思いというのはきちんと受け継いでおり、多分彼女の今までの人では母親を意識しながら働いていたのだと思う。客の立場に立って絶えず気を配っていることなんて旅館の所作は確実に緒花母に受け継がれているし、常に本質とは何かを見据えながらそこから逃げないことなんてのも感じられる。
 緒花母は、自分が旅館の後継ぎとして期待され、そう育てられているのを多分当時から知っており、かといってそれを実際に耳にすることも無く、かといってやりたいことは旅館の女将などではなく性格的にも合わないことであってなんてのが類推される。少女の勝手な言い分で母親に反発はしたものゝ、実際に一緒にいる時間は短くとも気を使ってもらっていたことには感謝もし、実際に大人になって母親の立場というのがわかり、それで客の立場を利用して母親との和解を図るって構図がなんとも泣かせるんだよね。
 で、緒花がしっかりと仲居として成長しているところや、そういう緒花を認めているおかみの場面も身が引き締まる思いだったし、どうもED画像からするとこれで緒花の身も心も喜翠荘の一員となって、13話とちょうど折り返し地点で、たぶん次回から新展開になるんだろうなと思わせる様子とかもうね、なんとも一息つく暇も無く見入らせてもらった感じだ。