ストパン2 第10話

 忙しいなんて言ってたっけ?。
 互いの矜持を賭けての勝負、熱すぎる。で、形は違えど、ハルトマンもマルセイユも背後の仲間のために戦っているという構図。BGMからしてそうだよな。そして結末も互いの矜持を傷つけない引き分けという形。
 なんともわがまゝなマルセイユという形になっていたが、バルクホルンをコケにしてハルトマンを指定したのも、自分が人気取りの客寄せパンダということを自覚して、撃墜王うしの競演という形を作りたかったんじゃないかと思う。501部隊は階級優先でバルクホルンを出すしかないわけで、マルセイユは当然バルクホルンと馬があわないってこともあったろうが、自分が嫌われ役になるのも覚悟の上の喧嘩腰でなかったか。スタンドプレーっぽい性格のようだが、アフリカ戦線で水は貴重であることをほのめかしており、別に水の補給がなってないと怒ったりしていない以上、仲間への思い遣りはある人間だという描写になっている。勝ち負けにこだわるのも、たぶん彼の地では負けることが即仲間の死に繋がる可能性が非常に高く、撃墜数やテクニックを誇っていないという描写から、自己顕示欲が強くて他者を顧みない人間ではないことが窺える。マルセイユが敢えて語ること、敢えて語らないことに思いをめぐらせると、確かに煽り属性はあるんだけど、思慮深いということが見えてくるようだ。
 対ネウロイだと、ネウロイは力押しでしかないので、技と技の競い合いってのは、ウィッチーズ同士でないと見せ様がないんだろう。ハルトマンの描き方も、モデルとなった現実のハルトマンに似せているのが微笑ましい。童顔。一撃必殺で撃墜することを工夫し、複雑なドッグファイトに意味を感じなかったらしいから、マルセイユの勝負に意味を感じていなかったようなのも頷ける。たぶん生き残ることに意味を見出しているのだろう。シュトルムとか言ってたが、これも逆光を利用した彼の戦法に拠るものだろう。しかし、残敵数を数えているのがなんともビックリした。最初の報告では概数だったのが、いきなり次の報告では正確な数字になっているわけだろ。これって多分数だけじゃなくて全部の敵の位置や次どう動くかの予想まで一瞬で把握しているってことだよな。それだけ二人の能力が優れているって描写。
 理想的な職場って観点からすると、マルセイユは501には合わないとは思うんだけど、ただこういう出張の形で触れ合うってことならば、お互い触発される部分があってよい刺激になるってことだろう。もちろんアフリカでも嫌われているってことも考えられるんだけど、彼女の発言からは苦しい状況の中、むしろ彼女が部隊を引っ張っていっているとも考えられる。全員が頑張っているのに、それでも環境が厳しくて敵に押されているとなったら、お互いに配慮しあってどこか弱いところを狙われてしまうよりは、バリバリ戦績を稼いでくれたほうがありがたいんだよな。しかも補給がまゝならないとあっては、そういう事情を察して戦っているわけだろマルセイユは。近い作品だとブリッグス要塞のアームストロング少将の立ち位置に近いんじゃねぇの。
 EDは夢の競演となったハルトマン@野川さくらマルセイユ伊藤静のデュエット。それもありうるかなとは思っていたんだけど、実際ゲストキャラの出番があるとは。残り2話なんだけど、クライマックスに向けてエンジンは確かにかゝったよね。