Angel Beats! 第9話

 ルサンチマンは見苦しいから、リア充になれとの上から目線。
 音無の事故遭遇時からの流れは普通に感動するんだけど、できすぎだよな。そもそも水を持ち逃げしようとしたヤツがいたけど、どこにも出口はないのにああいう行動に出るか?。極限状態に置かれて錯乱し、正常な判断を失っていたという解釈はできるんだけども。
 かなでによる世界説明があったのだが、これも真にうけていいのかね?。ただし、今までゆりが把握できていなかったという状態よりは、はるかに説得性はあるのだが。「青春時代をまともに過ごせなかった人たちの魂の救済場所」だとして、じゃぁここに居続ける事はそんなに悪いことなのか?とも思う。所詮このSSSのいる世界は彼らがかつて居た現実世界ではないわけで、で、その過去の現実社会からすると報われずに死に、その怨念も各個人で勝手に昇華して消え去れって、あまりにも報われない話だ。だからといって報われなかった彼らがVRの世界で青春時代を疑似体験してそれが肯定されるべきとも思われないのだが。
 しかしだな、この世界のキャラクター達とか、高校生の姿をしているけど、ターゲット層はむしろそれより上の年代だよな。例えば、現高校生が、この作品世界のような凄まじい体験をしていなくとも、いじめだの、厳しい社会情勢だのを受けているのであって、で、そういう層に向けてのメッセージではありえないよな。むしろ中学なり高校を卒業して、「あまり高校生活が楽しくなかったなァ」と過去を振り返る世代向けだろ。で、自分も甘酸っぱい経験をしてみたかったなァという彼らが没頭するのが葉鍵系のノベルゲームだったりする。だから、これは麻枝准の「ギャルゲに現実逃避しないで、リア充になれ」っていう、視聴者に対してのケンカのようにも見えてしまうのだ。嗚呼。
 まぁ理不尽に遭わせた当人がいるわけじゃなし、ズれているとはおもうんだけど、復讐は何も生み出さないから、理不尽を受け入れて、脳内で勝手に自己満足して消え去れってのは、あまりに勝手な言い分なのかなとは思う。それも、上記で述べたとおり、中高生向けにはなり得ない以上、視聴ターゲット層であると思われる若手の社会人にとって現実に向き合わされている理不尽の大半は、実は改善可能な人災だったり、復讐可能な事案だったりするワケだ。それを、個人個人が理不尽を不満に思わず、理不尽に遭わせている主体に攻撃せず、勝手に昇華していなくなれっていうのは、あまりにバカにしすぎてないか?という気がする。われわれは理不尽を押し付けてくる層に戦いを挑まれているわけであり、それに反撃せず奴隷のごとく受け入れよってのはどうもね。その具体的な方法として、思いを遂げることを美化して誘導って、えげつないことないですか?。ダメなポジティブ志向だろ。会社にいいように使われる理屈であるところの。
 いや、最終的にどうにもならないことに血道を上げるのは無駄なんだよってのもわかるんだけどね。どね…。