いやはや、今の日本人にBetterな社会システムってなかなか難しいね。

 顧客原理主義が日本を破壊する 魚拓
 「金払ってる方がエラい」という傲慢な価値観がお客様wのモンスター化を導く。 魚拓
 家電などに見られるように、過剰な機能を持った工業製品が日本で売れなくなって久しく、そしてその自称「日本の消費者の厳しい要求で進化した製品」とやらが、世界的なヒット商品になっているかというと、もう国際競争力なんてなくって、いったい日本の顧客の厳しい目ってなんだったんだろうな?という反省がそこかしこに見られるようになった。一昔前は、コーヒーショップで熱い飲み物で火傷したからといって訴訟を起こすキチガイ合衆国民が話題になっており、日本人たちは「ああはなりたくないな」といっていながら、いつのまにか合衆国を瞬時に追い抜いてキチガイカスタマー化してしまった。
 日本の不況の一因として、需要不足だというのが挙げられるが、自民党経団連は一貫して「低賃金労働者が借金までして消費しないのが悪い、モノを買わないのなら消費税上げるぞ」と言ってきた。そうでなくとも、消費者が欲しがるような商品を供給側が作れないのが原因だという見方もある。原因がコンシューマーサイドであろうとサプライサイドであろうと、需要不足が問題なんだというのが一致した意見のように思える。
 が、結局供給過剰なんが問題なのでは?と思ったりするのだ。極言するともうモノは要らないということになる。要らないモノを売ろうとするから、顧客原理主義になってしまうわけだ。
 今日視聴したそらおとの感想でも、イノベーションってのをキーワードとして挙げた。同じことの繰り返しだと社会が停滞し、経済成長は見込めない。先進国は日本を除いてGDPは年々増加傾向にある。経済成長に必要なのはイノベーションなんだという論説もよく見かける。でもそれは顧客満足度を挙げるような新製品を作るためのイノベーションだったりするんだろ。なんだかなぁという気がしてならないのだが。
 でもまぁどうなんだろうな。人間、安定を求めるものだってのもわかるし、同じモノばかりだとあきるってのもわかるんで、なかなか難しいものはあるわな。

そう考えると、いまの日本の諸悪の根源は、デフレでも生産性の停滞でもなく、労働者をムダに消耗させる「顧客原理主義」かもしれない。過剰接客とも言おうか。日本人全員が顧客のわがままに振り回されすぎている。その顧客の多くは、同じ日本人なのだから、やや滑稽なのだけど。同じ人物が、働いているときは奴隷のようにペコペコ頭をさげ、客になるときには傲慢な主人のように振舞う。もうこんな喜劇のようなことはやめにしないか?

一人一人がもっと自分の気持ちに素直に振舞うことだ。うれしくもないときには笑わないこと。うれしくもないのに笑うのは、精神衛生上、まことによろしくない。客が来ても、うれしくなければブスッとしていればよろしい。好きな客がくれば笑えばいいし、いやな客は追い出してしまえばいい。売上げなんか落ちてもそのほうがずっと幸せになれるはずだ。

過剰接客禁止法、という法律を政府が作ったらどうだろうか。その法律は、雇用主による従業員への表情の強制を禁止する。「客が来たら笑え」という命令を禁じるのだ。働いているときには、別の人格になりきるのではなくて、普段の自分と連続的に振舞うことを許されるだけで、確実にストレスは減る。

 顧客原理主義がマズいってのには全面同意なんだけど、好きな客がくれば笑い、嫌な客は追い出すってのはな〜。自分的には賛成ではあるんだけど、かといって、常連客が店を溜まり場にして一見さんお断りってのもヘンだしな。かといって、固定客をつかんで店のカラーを出していく地域密着型の商売も魅力的だしな。ちょっと前に自分の半径数メートルぐらいの人間関係しか若者は重視しないって論説があったけど、年齢層問わず…というより団塊を筆頭にそういう他人のことを考えずに自分の欲求を押し通すって風潮がだめなんじゃないかと思ってはいるのだが、こればかりは躾などの社会教育部分、端的に言えば民度の問題なんじゃないかと思うがね。いや、やっぱりまとまらなかったわ。