ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第7話

 前線から遠く離れてふんぞり返り、敗戦後も国民を敵に売ってまで国体の護持をはかった皇族と、前線にまで出張って一般兵士にも不徳を謝る皇族と。
 フィリシアの番ではあるんだけど、かなり重い話だわな。若いフィリシアの戦った戦争は、どう考えても描写がWWⅡだわな。負けて済まないと謝るのが一般兵士*1で、決して戦争指導者や将軍ではないとか、どう考えても原爆投下の瞬間な描写とか。旧陸軍だののクズな部分や、かくあるべしって部分がないまぜになっていて、うまくはぐらかしているというか。
 世界に意味はなく、意味付けするのは人それぞれってのを聞いて、佐藤大輔皇国の守護者を思い出した。あれは人だったか生きることだったかはよく思い出せないんだけど、意味などなくて、価値しかないってフレーズだったな。当時目にしたときは衝撃で、あぁなるほどと得心しましたが。さすがにこの作品だと価値なんてものを出してしまうと途端に味気ないものになってしまうわけだよ。意味即ちイデオロギーvs価値即ちキャピタリズム。しかし、あの兵士が言っていたように世界は繁栄を取り戻すことが出来ないって台詞、前回の給料の遅配・軍票あたりから考えると、どうも国家経済は破綻している(即ち現代がそうってことか?)らしく、価値ってものを提示するには微妙な時期でもあるんだろう。
 フィリシアの昔の戦友の声アテは誰がやってたんだろう?。てっきりエンドロールでわかるもんだと思っていたのだが、名前がない。フツーに考えると、小林ゆう以下砦の他のメムバーがやってるんだろうが、なかなか聞き分けが出来ない。そうだとしてさすが声優というしか。

*1:負けたとか守れなかったという結果は不可抗力でしかなく、決して無謀な戦争を起こして済まなかったというものではない。謝っているのではなく怒りの感情だ。そしてそのことは声優の演技が如実に物語っている。