ロングプロダクツの万年筆を改造してみた。

 以前ロングプロダクツの桜を買っていたのだが、どうもニブがシュミット製で使いにくかった。中細字だったのだが、インクがドバドバ出て、さすが舶来のニブは太いやと、ペン立ての肥やしになっていた。しかし、ニブ交換をして細字に変えたって記事を読んでいたので、機会があったらやってみたいと常々思っていたのだ。その記事はこれ。
 「ロングプロダクツ アセテート 桜」のレビュー: 細字万年筆にこだわる
 改造記事 INDEX: 細字万年筆にこだわる
 PILOT 「デスクペン ペンジ」を5本 調達: 細字万年筆にこだわる
 そして、最近ロングプロダクツの錦鯉を入手。これをいい機会とばかりに、改造に取り組んでみることにした。
 上記リンク先を読んでいただければわかると思うのだが、準備に必要なのはパイロットのプレラ(F)か、デスクペン ペンジのニブ(EF,F)のいずれか。錦鯉の注文の際にプレラも買っておいたのだが、結局潰してしまったので、後からデスクペン ペンジを買いなおすことに。まずはペンジ、錦鯉、桜の雄姿から。
 
 で、プレラもしくはペンジからペン芯ごとニブを引っ張りだします。ネジ式ではないので、単に引っぱるだけでOK。で、リンク先にあったように、パイロットのニブは根元に出っ張りがあるので、これをグラインダーで削ります。削る前のニブが左で、削った後が右。職場にグラインダーがあったので助かりました。
 
 ちなみに、ニブを並べてみたのが次です。左が元々ついていたシュミットのニブ、真中が加工前のパイロットニブ、右が加工後のパイロットニブです。
 
 で、この加工後のニブを、元々ついていたシュミットの芯に重ねて嵌め込むだけです。ただし、ニブの厚さがシュミットのほうが薄く、パイロットが厚いので、手で嵌め込むのはほぼ無理です。ニブが途中で引っかかって芯だけ押し込まれてしまうので、ニブと芯をティッシュペーパーで覆い、ペンチでぎゅっと押し込みました。
 
 はめ込んだ根元からペン先までの長さは大体20㍉弱。シュミットのニブを装着して測ると19.5㍉ぐらいですから、それより奥に差し込めればOK。最初大体このぐらい嵌ればいいやとばかりに、差込不十分のまゝ、キャップを閉めてしまって、ペン先を曲げてしまいました。それでプレラのニブがパーに。ペンジニブも、一本目はニブの根元の刻印の位置を確認していたんですが、やはり差込が不十分だったらしく、ペン先を曲げてしまうハメに。どうやらもともとのシュミットのニブのまゝでも余裕は2〜3㍉ぐらいしかないみたいです。失敗例。
 
 ニブの根元をペン芯の位置合わせの部分に合わせてしまうと、ちょっとペン芯が出すぎになるので、ちょっとニブを前気味に取り付けてみました。
 
 というわけで、実は作業工程は少なめで出来てしまいました。やった事はといえば、

  • ニブの根元を削る。
  • ペンチでニブとシュミットの芯を挟んで、19.5㍉以下になるように差し込む。

 の二点だけでした。プレラで初め試した時には、ニブの根元を削らずに湾曲をきつくしたりゆるくしたりしましたが、結局ニブが引っかかって入らなかったので、仕方なく根元を削った次第。あとやってみたらすぐわかるんですが、パイロットの芯は太くて入りません。ペン先を曲げてしまったので、ニブの長さを短くするために、ニブの下の部分を削ったりしましたが、二個めは削らずに装着してみたところ、問題なく入りましたので、結局出っ張り部分だけを削ればいいようです。
 肝心の結果ですが、見事に細字になりました。ただし、書き味はかなり硬く、カリカリしてます。書き味だけはシュミットニブのほうがいいのですが、それだけですね。
 プレラを台無しにしたのが残念ですが、ペンジを数本余分に買ってあって、それをプレラに流用すればよいわけです。このロングプロダクツの交換用ニブも作りました。むしろプレラを台無しにしなければ、桜・錦鯉のうちどれか一本だけ交換ニブで、残りの一本はシュミットニブのまゝであった可能性は高かったですね。プレラのニブは銀色なので、それよりペンジの金色のほうが、桜・錦鯉のクリップやトリムの金色とマッチします。とりあえず目的は達成したということで。