ペンギン娘はぁと

 終わった。というか、もう既に終わって、地上波公開用コメントの収録も終わっている。で、総集編もUPされている。内容的にはおちゃらけで、モロオタク向けの作品といっていいだろう。再生回数は01が30万ほど、0203で15万ほど、04で10万。09で10万割れの8万、10が12万の11が減って8万5千。どうなんだろ?。この数字は成功といえるのかどうかは良くわからない。首都圏で行われる視聴率が1200万という人口を対象に(当然サンプリングで類推だが)、1%で12万だから、それ未満ではあるが、金のかけ方如何によっては成功といっていいのかもしれない。地上波ではスポンサーが払う5000万のうち、製作に800万しかわたらないというのを真に受ければ、これは金がかゝっていないことを考慮すると、深夜アニメで1%〜2%ぐらいの作品などぶっちぎりの経済効率なのではないか?。10分前後の作品だし。しかし、コレをネタに何をCMするかを考えると、商品がアニメDVDと関連グッズだけということを考えると、もう話題性しかメリットは無いんだよね。
 まぁ正直ストーリーに期待をしていい作品ではないんだけど、ただ、作品をコミュニケーションツールとして視聴者に利用してもらい、コメントをむしろ主目的に置いたという発想は面白かった。ただ、やっぱりコメントは所詮素人のものなんで、今回5話分を一気に見た中に、光るメッセージはなかった。コメントに感心できるのは正味4話ぐらいまでだろう。コメントの質を上げるために、作品の脚本を工夫するというのも非効率だろうし。後になればなるほどたいしたコメントでもないのに、狙い済ました場面ではコメントで画面が埋め尽くされてストレスが溜まるようになっていった。内容がよければ本当にコメントの質も上がるのかは疑問。
 画面が小さいのでテロップなどの文字はかなり見難い。OPやEDに変化をつけたのは面白かったが、そこに注力するぐらいなら本編の質を上げろとは思う。声優もまぁ金をかけていないんだろうなという感じか。片岡あづさの上ずったような演技は好演なのかな?。妹はさすがに棒だったが。でもまぁそれを咎めだてるほどの作品でもないだろう。
 という風にみてみると、やはりこれは実験的な作品であって、あんまり内容を評価すべきものでもあるまいという気はする。どれだけオタクに近づいて、カネに換えることができる部分は何か?、その情報集めというところだろう。運営側にとっては、コメント欄が炎上しない程度にいろんなコメントが収集できればOKといったところか。コメントの反応とDVDや関連グッズとの売れ行きの関係をデータ化できれば、それは運営側の貴重な情報になると思うし。まぁそういった部分はまず公開されないだろうから、ここでうだうだ言ってもしょうがないとは思う。
 まとめとしてはかなり微妙だ。第2部を視聴するか?と言われれば、積極的に見たい作品ではない。かといって、第1部で蓄積された情報をフィードバックして、作品自体が何らかの修正をかけてきたり、また新しい取り組みをしてくるかもしれないわけで、そういった部分に注目するという目的で視聴するかもしれないといった程度。内容的にはさすがに褒められたものではない。実験的な要素を含んだ評価を下すとすると、おもろ-ぐらいかな。内容だけだと普通か駄作か迷うところ。監督や脚本家にしたって、運営側からストーリーの練りこみよりもネタ提供を優先するように言われていただろうから、内容を酷評するのは当事者のことを考えるとお門違いといったところだとは思う。