コードギアス 反逆のルルーシュ R2 第11話「想い の 力」

 追い詰められたフリでした…というお話。
 うーん、またおなじみのコピペに登場いただこうか。

「格差が出ることは悪いとは思わない。成功者をねたんだり、能力のある者の足を引っ張ったりする風潮を慎まないと社会は発展しない」
  (小泉純一郎 第89代内閣総理大臣 世襲3世)
「格差なんていつの時代でもある。じゃあ朝日新聞の給料はいくらなんですかと言ったら終わっちゃう話なんだよ」
  (安倍晋三  第90代内閣総理大臣 世襲3世)
少子化を憂う必要はない、格差社会が広がりコンドームを買えない貧困層が増えれば子どもはすぐ増える」
  (中西輝政  国際政治学者 京都大学大学院人間環境研究科教授 安倍晋三ブレーン)
「競争が進むとみんなが豊かになっていく」
  (竹中平蔵  経済学者 元政治家 パソナ特別顧問)
「格差があるにしても、差を付けられた方が凍死したり餓死したりはしていない」
  (奥田 碩  元日本経団連会長 元トヨタ自動車会長)
「パートタイマーと無職のどちらがいいか、ということ」
  (宮内義彦  オリックス会長 元規制改革・民間開放推進会議議長)
「非才、無才には、せめて実直な精神だけを養っておいてもらえばいいんです」
  (三浦朱門  作家 元文化庁長官 元教育課程審議会会長)
「格差論は甘えです」
  (奥谷禮子  人材派遣会社ザ・アール社長 日本郵政株式会社社外取締役 アムウェイ諮問委員)
「格差は能力の差」
  (篠原欣子  人材派遣会社テンプスタッフ社長)
「フリーターこそ終身雇用」
  (南部靖之  人材派遣会社パソナ社長)
「日本で払う給料は、間違いなく中国で払うより高い。労働者が、もの凄く安いコストで働いているというようには私は思っていません」
  (折口雅博  グッドウィル・グループ創業者 元経団連理事)
「業界ナンバー1になるには違法行為が許される」
  (林 純一  人材派遣会社クリスタル社長)


自民党の某議員
「貧困の再生産など起きない。彼らは子供さえ持てないからいずれいなくなるだろう」

 まぁどう考えても大宦官は自民党経団連のメタファーだよな。まぎれもなく。前回の中国の腐敗を利用した作戦云々は、よくよく考えてみれば中国に対してすごく失礼なことを言っていたんだと思うんだけど、四川大地震の時のことがあるから、中国としても認めざるを得ないというか。絵的には別に基礎工事がめちゃくちゃという事は表現されていなかったから、テレビ局への納品前に、台詞を追加したんだと思うが。どうせ声優に二言三言言わせるだけだから、あと話の収録をしているときに言わせたのかもしれないし、もともと台詞として何通りか用意していたのかもしんないしで。とにかく、やたら時代とマッチした部分には感心させられていたのだ。
 で、昨年かなんかにNスペで、「激流中国」という放送があったらしいな。中国では公式に放映されていないが、日本より酷い格差社会の様子がネットを通じて中国本土に伝わってしまい、結構本土で論議を呼んだらしい。しかし、よくよく考えて欲しいのだが、まだ今のNHKが民間の会長になって自民党経団連べったりの放送をする前の話で、本当に中国の現状は酷いということだけを日本の視聴者に伝えようとした番組なのかということなのだ。
 中国には「指桑罵槐」ということわざがあって

 指桑罵槐。皇帝を面と向かって非難すると死罪になってしまうので、ダミーを非難する。でも本当に批判したいのは――。そういう意味を持つ、中国のことわざだそうです。

 ということらしい。Nスペの番組のように、富豪は親の共産党時代のコネを使って有利に金儲けをし、下層民は都市に出稼ぎに出て過酷な労働に耐える様子が描かれているということだ。自民党経団連が彼らのインナーサークルだけでオイシイ仕事をやりくりし、莫大な金を儲けているにもかかわらず、労働分配率は低く抑えられ、派遣や請負で国民が苦しい生活を強いられているのと重なり合う。
 学齢期の子供を養うためにその親や祖父が都市に出かけて日給の安い肉体労働に従事し、その仕事もありつけるかどうかも分からない。それでも中国と日本が違うのは、田舎に言わば置き去りにされたその子供たちが必死に勉強して、技術者になり、金を儲けて親に楽をさせてやりたいと泣きながら発表するのが痛々しい。日本人が見かけの先進国ぶりで中国をバカにしていたりするんだろうが、中国では一人っ子政策で我儘な子供もいる反面、貧しい農村では向学心のある子供がまだ居るという点については感心せざるを得ない。日本では理系科目を逃避したエセ文系(理系の知識も兼ね備えた文系も居るのだが、もちろん権力層の関係者でない限り陽の目を見ることはない)が幅を利かせて技術者が使い捨てにされているわけで、ここら辺でも十分中国に負けている。
 話は逸れた。今回のお話は人の思いが世の中を変えるというキレイ事にもかなりの力を割いていたと思う。しかし、飽食日本での国民の思いって…と考えると、上記の中国との対比においてもなかなか先へと進む道は険しいと思わざるを得ない。そして、時間的にはそちらに多くを割いていたのも無理からぬ話だとは思う。この作品を見渡しても、自民党経団連にあたる勢力が日本人の側には居らず、大宦官に託すしかなかったのだろうとは思う。
 まぁまた必殺兵器を登場させて起死回生の挽回を図るいつも通りのご都合主義ではあるのだが、今回ばかりはそうもいってられないだろうなという気はする。次回学園ドタバタで息をつくところを見ても、一連の流れでいうと今回はやっぱり大きな山で、視聴者には特に注目してもらいたかったと見るべきだろう。で、お子ちゃまには人の思いというキレイ事に感動でもしてもらって、主体性を培ってもらえば済むことだし、もうちょっと行間が読める層には指桑罵槐ということがわかってもらえばスタッフとしての目的は果たしたと言って良いんだろう。