きょうのいきいきホットラインは

 実は録音していて、もちろん帰宅時に途中から聞いていたものの、最初から最後までを先ほど聞き終え、滝沢町HPなりを見ていた。そもそも何でもてはやされているのかと言えば、日本経営品質賞とやらをとっているかららしいのだが、トヨタキヤノン松下電器の地方子会社などが受賞しているところからして胡散臭い。で、実際にどのような効果をあげたの?と言われれば、こんなhttp://www.vill.takizawa.iwate.jp/gyoukaku2状況。うーん、悪いけど、ISOなんて無駄な認定を受けるために無駄な労力を割きましたねというのと、やっぱアリバイ的にやりましたって感じのいかにも無駄そうな研修をやる予定なんですねといったところか。無駄なコストカットをしているようには見受けられるので、無駄なことばっかりして外面を整えるだけって事は無いみたい。
 地方交付金も貰っているし、公債も発行している。ただし、依存率は低くなっているようだから、そこらへんを評価されたのかもしんないですね。うーん、番組でいろいろ言っていた事は殆ど無関係で、金の無駄遣いを抑えたってとこですかね。係長だの課長補佐だのの役職を無くしたとか自慢してましたが、それが行政改革としてどれだけ大きな部分を占めているかといわれれば…どうでもいいんじゃないかと。
 あと、すごくもてはやしているけど、そもそも県庁所在地のすぐ隣で、地方都市の恩恵を受けていること、そして何より5万人を誇る人口が大きいと思う。で、極めつけは5万人以上なら普通は市政を敷くもんだけど、町を飛び越えて村のまゝでいることも見逃せない。規模の大きな行政単位になると、当然それに合わせて施設やシステムを整備しないといけないと思うんだが、村のまゝだと小さいまゝでいいので、当然300人という少ない職員の数もあわせて、固定費を格段に抑えることができるってのが大きいと思う。まぁまさにこれこそが「小さな政府」そのものなんだろうな。同じ5万人でも市と村じゃぁ出て行く金の量が圧倒的に違いますって。
 あと、東北の村にしては、高齢者の割合が少ないということ。2005年現在、65歳以上の割合が日本では19.9%、滝沢村では13.7%。ちなみに年少者の割合が結構多い。15歳未満の割合が日本では13.9%、滝沢村で15.9%。少子化の程度は似たり寄ったりだが、それでも滝沢村のほうが多く、老齢人口は有意差があるとみていいだろう。日本では5人が1人の老人を、滝沢村では7人が1人の老人を支えていることになる。まぁ人口比率で言えば、日本の10年遅れで高齢化が進行するというところ。普通日本の過疎化地域だと高齢化比率が洒落にならないぐらい大きいので、日本の中でも特殊な地域と見たほうがいい。つまり、基本をしっかり押さえて無駄遣いを極力無くせば、別に誰が村長になってもそれなりの結果が上げられるわけだ。滝沢村が村のまゝで居られたのも、別にこの人がうまい方法でのらりくらりと合併を避けたって訳でもなさそうだしな。いや、村のまゝがいいという気運を盛り上げたのかもしれませんが。
 ラジオでは、自分を大きく見せかけるために、まず「自分が村長になる前の役場の職員はとにかく酷かった」とけなす態度からして品が無かった。役場の職員の上っ面だけ見て、いい仕事をしているところが全く見えてなかったのだろうか?。300人ぐらいの職員数だと、30〜50人ブロックにして、飲み会をして各職員と意見交換をしても1週間から10日ののべ日数で全職員との顔合わせができるので、確かに実際にそれをやったことはすごいことだとは思うんだけど、その中でも取り上げるべきいい意見が出てたんじゃねぇの?とも思う。
 途中滝沢村役場の職員への電話インタビューがあって、これはんHKもよくセッティングできなよなぁと評価したい。もちろん職員として不利な情報は言わないだろうし、かといって村長をあからさまに批判できるような雰囲気になりにくいので、オブラートに包んだ物言いしか聞けないと思っていたんだが、やんわりと職員をけなすのは酷いという主張がなされていて、なるほどと。職員として村長のやったことを評価していた点は2つ。

  1. 全体を考えて仕事しろと職員を喚起したこと。
  2. 現場の意見をよく聞いて仕事しろといったこと。

 うーん、これはなかなかだわな。職員自体が、課の縄張り争いで仕事がうまく行ってなかったと言っていたから、これはありがたかったんだろう。あとは管理職が現場の正確な把握もせず、頭ごなしに部下に仕事を押し付ける格好になっていたんだろうな。
 経歴を見ると、団塊の世代にあたるといってよく、京成電鉄に4年、家に帰って畜産農家を継ぎ、28歳で村議*1をやって3期、ブランクの後村長3期で、今56歳。なんつーか、20代で代議士ってのが胡散臭いが、自分を必要以上に大きく見せようとしたり、激しい上昇志向ってのが無ければ、どんな職業についても中堅で頼りにされるオヤジって感じなんでしょう。今40歳の嫁さんがいて、幼少の娘がいるってことだから、余生を暮らすだけの蓄えがあるんだったら、無理せず穏やかに余生を過ごして下さればと思ってしまうんですが。住民自身の変革につながったという話は聞かないし、今日のラジオを聞いてもそうなったとも言ってなかったし、もしかすると住民の権利意識だけが肥大して、職員の意識改革はできたけど、そもそもやらなくてもいい余計な仕事が増えて現場としては振り回されただけと思われているかもしれないわな。語られないことはわかんないけど。

*1:社会党系だったらしい。県知事立候補の際には自民・公明・社民に推薦して欲しいと頼んでいたという記事があった。